無人売店とは?メリット・デメリット、おすすめの無人コンビニを紹介
企業向けの無人売店(無人コンビニ)は、オフィスビルや工場などの企業内に設置され、従業員が利用するための食品、飲料、日用品などを提供します。近年はセルフレジが導入され、従業員がいなくとも、24時間営業することが可能になっています。この記事では、企業内に無人売店を導入する際のメリットとデメリット、実際の導入例、そしておすすめのサービスについて詳しく解説します。
目次
無人売店(無人コンビニ)とは
「無人売店(無人コンビニ)」とは、人の手を介さずに買い物ができる売店のことを指します。人の手を介さずに買い物ができる仕組みといえば、自動販売機を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし自販機で販売できる商品の品目には限りがあります。店舗であればより多種多様な商品を販売することができますが、決済にはレジが必要ですよね。
そこで、セルフレジを導入することでレジ係を置かなくても支払いをできるようにしたのが「無人店舗」です。レジ係が不要になっただけで、商品の陳列などには人手が要りますから完全無人というわけではありませんが、それでも人員削減となることは確かです。
このような売店を会社施設内に置く「無人売店(無人コンビニ)」が注目されています。設置されるのは主に大手企業の社屋や工場、物流施設などです。最大の特徴は、無人なので24時間営業が容易であること。商品発注や在庫管理を行う従業員は必要ですが、昼間の限られた時間だけの勤務で済みます。つまり人が24時間働かなくとも24時間営業が可能、という画期的なシステムなのです。特に工場や物流施設といった24時間稼働の職場では、24時間需要があるので大変有用です。
無人売店(無人コンビニ)の特徴
では、無人売店(無人コンビニ)にはどのような特徴があるのか具体的に見ていきましょう。
セルフレジ化
これまでレジといえばレジ係がいて、商品に貼られたバーコードをスキャンし、合計金額を出してお金を受け取り、おつりとレシートを渡す、というのが一般的でした。その作業を買い物客が一人ですべて行えるようにしたのが、セルフレジです。
スーパーなどでも多く導入されているので、実際に使ったことがあるという人も多いのではないでしょうか。これはバーコードリーダーやRFIDタグ、タッチスクリーンインターフェースといった最先端のテクノロジーによって実現したものです。無人売店(無人コンビニ)では、決済はすべてこのセルフレジで行います。
24時間営業
先にも述べた通り、24時間人が張り付いていなくても24時間営業が可能である、というのも無人売店(無人コンビニ)の大きな特徴です。この恩恵を最も多く享受できるのは、24時間稼働の職場でしょう。工場や物流施設といった職場は24時間稼働しているところも多く、どの時間帯にも常に働いている人がいます。
昼間の時間なら近くのお店が開いていますが、夜、特に深夜になると食べ物や飲み物が調達できず困ってしまうという従業員も多いのではないでしょうか。そんなとき、社内に無人売店(無人コンビニ)があれば深夜でも早朝でもいつでも好きなときに食品や飲料を自由に購入できます。これは従業員の作業効率アップとモチベーション維持に大きく貢献するでしょう。
商品の多様性
無人売店(無人コンビニ)も通常の売店やコンビニと同じく、店内の商品ラインナップをどうするかというのは自由に選択することができます。食品や飲料、健康食品や日用品など、従業員のニーズをリサーチしてそれに対応するものを置けば、従業員は欲しいものをいつでもすぐに手に入れることができ、とても便利です。
また、通常のコンビニと違うのは、社内の独自品も置けるという点です。例えば仕事の際に着用するユニフォームなどを置いておけば、担当者に注文して到着を待つといった手間がなく、必要なときにすぐに買うことができます。
キャッシュレス決済
セルフレジでは、例えばスーパーなら多くの場合現金決済ができますが、あるコンビニではキャッシュレス決済のみ、といった具合に店舗によって決済方法の幅が異なります。無人売店(無人コンビニ)の場合はキャッシュレス決済が主流です。現金OKの無人売店(無人コンビニ)もありますが、現金を扱う際には釣銭の問題が付いて回ります。24時間営業を前提とする無人売店(無人コンビニ)では、時間帯によっては釣銭切れに対応できないこともあるでしょう。
キャッシュレス決済にはたくさんの種類があります。クレジットカードやデビットカード、モバイル決済といった一般によく使われる方法はもちろん、社員証を使った決済システムを導入することも可能です。従って、決済方法で困ることはないでしょう。何より迅速かつ効率的に支払いができるのが魅力です。
コンパクトな店舗設計
社内に売店を設けるとなると、場所の確保で頭が痛いという事態になるのでは、という心配もあるかもしれませんが、無人売店(無人コンビニ)は通常、限られたスペースに適応するように設計されています。
既存のオフィスや工場内にうまく収まるように設置できるので、売店のために追加のスペースを確保する必要はないのです。もちろん、規模の大きい事業所で従業員も多く、大型店舗の需要があるところであればそれに合わせた設計も可能です。この柔軟さも無人売店(無人コンビニ)の大きな特徴といえるでしょう。
管理とメンテナンス
売店を設置すると、商品の補充やメンテナンスなど日常的な運営の負担が生じますが、そこに割ける人的資源はないし、何より自社に店舗運営のノウハウがない、という心配もあるでしょう。
そういった諸々の負担はすべて専門の運営会社に任せてしまえば安心です。多くの運営実績や豊富なノウハウを持つ運営会社であれば、各企業に合わせた提案・設計を依頼できるのはもちろん、その後の運営まですべて任せることができるので、企業側は日常的な運営に煩わされることなくメリットだけを享受することができます。
企業向け無人売店(無人コンビニ)のメリット
社内に無人売店(無人コンビニ)を設置することで、企業や従業員にはどのようなメリットが生まれるのでしょうか。
時間を有効的に使える
働く人にとって、食べ物や飲み物を社外に買いに行くというのは意外と面倒なものです。昼休みにお弁当を買いに行けばその分休み時間が減ってしまいますし、仕事が忙しい時に必要な物品を買いに出るのも時間に追われている身としては辛いところですよね。
そんなとき社内に無人売店(無人コンビニ)があれば、わざわざ外へ買いに行く必要がないので時間も手間もかかりません。昼休みや小休憩の時間を買い物で削られることもなく、ゆっくり過ごして英気を養えます。特に残業や夜勤のときには、24時間営業の無人売店(無人コンビニ)が社内にあるととても便利。作業効率のアップにも寄与することでしょう。
福利厚生価格であるため食事代が節約できる
無人売店(無人コンビニ)は企業にとって営利事業ではなく、あくまで従業員への福利厚生として設置するものです。従って、コンビニなど一般的な店舗で買うよりも安い価格に設定されていることが多いです。
毎日のお弁当をコンビニで買うか社内の売店で買うかで、1カ月のお昼代も大きく変わってくるのではないでしょうか。もちろん日用品なども安く買えるので、毎日の生活コストを下げることも可能です。従業員にとって経済的な利益が大きく、企業の福利厚生に対する評価も大いに高まることが期待できます。
従業員満足度が向上する
1日の大半の時間を過ごす職場は、従業員にとっていわば生活の場でもあります。その中でいつでも好きな食べ物が安く買えたり、日用品もお得な価格で買えるとなれば、それは従業員の生活の質を向上させることにもつながり、職場への満足度も向上するでしょう。
会社の福利厚生に満足すれば、従業員の職場への忠誠心やモチベーションも高まります。季節によって商品のラインナップを変えたり、従業員の要望を取り入れるなどすればより効果的です。
災害時の備蓄として活用できる
社内に無人売店(無人コンビニ)があるということは、常に一定量の食べ物・飲み物や日用品がそこにあるということ。非常時や災害時には、これがそのまま企業備蓄として活かされます。勤務中に災害が起きて社内にとどまらざるを得なくなった場合でも、当座は十分しのげます。
これは従業員にとって大きな安心感を生むでしょう。いざという時の備えにもなる無人売店(無人コンビニ)を設置している、というのは企業が従業員の安全と健康を考えていることを示す具体的な例となります。
企業向け無人売店(無人コンビニ)のデメリット
このように企業にとってメリットの多い無人売店(無人コンビニ)ですが、一方でデメリットもあり、導入に当たっては十分な検討が必要です。ここでは無人売店(無人コンビニ)
のデメリットについて解説します。
セキュリティ面での不安
無人売店(無人コンビニ)にはスタッフが常駐しません。これは監視の目が届かないことを意味します。人が見ていないのをいいことに、盗難や不正利用をする従業員が出てくる恐れもあります。
それを防ぐためにはセキュリティカメラやセンサーといったセキュリティシステムの導入が必要ですが、導入や維持管理にはコストがかかりますし、必ずしもリスクを完全に排除できるものではありません。もちろん一定の効果は得られますが、一方でプライバシー侵害の懸念もあります。
初期投資と運営コストがかかる
無人売店(無人コンビニ)を設置する際には、有人店舗を置く以上の初期投資が必要です。無人店舗にはセルフレジシステムや在庫管理システムが欠かせませんし、先に述べたようにセキュリティにもある程度お金をかけなくてはなりません。
しかもこれらは導入したら終わりではなく、継続的なメンテナンスや更新作業が必要ですし、商品の補充は日常的に行われていくものです。従って、設置を検討する際には初期投資と運営コストがいくらかかるのかを明確にする必要があります。
利用人数が多くないと導入できない
無人売店(無人コンビニ)の運営にはコストがかかるので、一定数以上の利用者がいなければ採算がとれません。従業員200人以上の大規模な事業所であればかなりの利用者が見込めますが、中小規模の事業所では難しいところでしょう。
運営会社によっては利用者数の最低条件を定めているところもあり、それに満たない場合は導入できないケースもあります。また、仮に導入できても利用者が少なければ十分な収益を上げるのは難しいでしょう。
偏った食事による健康面への影響
無人売店(無人コンビニ)はスペースが限られているので、提供できる食品の種類には限りがあります。中でも、賞味期限が長く在庫管理がしやすいジャンクフードや高カロリーのスナックに偏りがちな傾向があるのが懸念される点です。
従業員がこうした食品ばかり口にすれば、健康上の問題が生じたり、生活習慣に悪影響を与えたりすることもあるでしょう。手近で買いやすいという利便性が、ジャンクフードに手を出しやすくなるという危険性もはらんでいる、という点を意識しておく必要があります。
企業向け無人売店(無人コンビニ)の導入事例
企業の中にはすでに無人売店(無人コンビニ)を設置しているところも多くあります。具体的な事例を見ることで、導入後のイメージが明確になるでしょう。ここでは3社の事例を紹介します。
京セラ
京セラ滋賀蒲生工場では、以前からあった有人レジの売店を無人売店(無人コンビニ)「心幸ストア」に置き換えました。有人売店は平日昼間のみの営業であったため、24時間稼働している同工場では夜勤の際に利用できないといった不便がありましたが、それが解消され利便性が向上しています。
お菓子や飲料といった嗜好品を豊富に取り揃えているのが特徴で、従業員の勤務中のちょっとした楽しみになればという狙いもあります。
参考/京セラ滋賀蒲生工場(滋賀県東近江市)に24時間営業の無人コンビニ「心幸ストア」が開店
三井ショッピングパーク ららぽーと堺
ららぽーと堺でも、従業員専用の無人コンビニ「心幸ストア」を設置しています。食品・飲料やお菓子、雑貨など一般的なコンビニと同等の商品ラインナップで、従業員の利便性に寄与しています。
さらにプライベートブランド商品の販売や、ららぽーと堺に入っている店舗とのコラボ商品を計画するなど、ショッピングモールならではの楽しさも加え、従業員満足度の向上を目指しています。
参考/「三井ショッピングパーク ららぽーと堺」に、心幸の従業員専用コンビニエンスストアが開店
ミスパリ学園 ビューティ&ウェルネス専門職大学
無人売店(無人コンビニ)は企業だけでなく大学にも広がっています。ビューティ&ウェルネス専門職大学では、学生や職員のための無人売店(無人コンビニ)「心幸ストア」を学内に設置。昼食やおやつ、ドリンクなどが手軽に購入でき、食生活をサポートすることで学生の満足度向上を目指しています。店舗はコンパクトながら品揃えは充実しており、休み時間にちょっと立ち寄って甘いものを楽しむなど、学生の間でもリフレッシュスポットとして定着しつつあるようです。
参考/ミスパリ学園 ビューティ&ウェルネス専門職大学に、24時間営業の無人コンビニ「心幸ストア」が開店
おすすめの無人売店(無人コンビニ)
無人売店(無人コンビニ)に興味がわいてきたけれど、設置に当たってどこに頼んだら良いのか疑問に思う方もいるでしょう。そこでここでは、二つの無人売店サービスを紹介します。
SHINKO STORE(心幸ストア)
24時間営業・完全無人のコンビニを全国に約200店舗運営する「心幸ストア」。多彩なキャッシュレス決済のほか、電子社員証とレジシステムを連携した決済サービス(給与天引き)にも対応。従業員は財布を持たなくても買い物ができます。食品から日用品まで常時1200種類以上のアイテムを取り扱うほか、ユニフォーム・制服などの社内専用商品の販売代行も可能です。
施設規模に合わせてミニ店舗から大型店舗まで最適なレイアウトを提案し、パンや弁当を店内調理する簡易厨房の設置も可能と、オーダーメイドの店舗設計を行っています。
オフめし
大型の無人売店(無人コンビニ)や社員食堂を設置する場所はないけれど、社員の昼食・夜食を何とかしたい、という企業の要望に応えるのが、設置型ミニコンビニ・置き社食の「オフめし」です。
オリジナルの常温そうざい、冷蔵惣菜、冷凍弁当のを販売しており、買ってその場でレンジでチンするだけで温かい昼食を手軽に楽しむことができます。カップ麺やお菓子、スープ類やドリンクなど一般的なコンビニ商品も充実しており、おやつタイムには社員のコミュニケーションの場にも。ちょっとしたスペースがあれば設置でき、キャッシュレスや給与天引きにも対応可能です。低価格販売で福利厚生に大きく寄与します。
無人売店(無人コンビニ)の導入の流れ
無人売店(無人コンビニ)の導入までの流れを具体的なステップごとに詳しく説明します。
1.問い合わせ
初めに、関心を持った企業や個人が無人売店(無人コンビニ)の提供業者に連絡を取ります。
この時点で、業者は無人売店(無人コンビニ)の概要、機能、コストなどに関する情報を提供します。問い合わせ者は、自分のビジネスに合ったサービスかどうかを判断するための基本的な情報を収集します。
2.打ち合わせ
問い合わせ後、両者間で実際に会って詳細な打ち合わせを行います。
このステップでは、具体的なニーズ、予算、スペースの要件、商品の種類、技術的な仕様などについて話し合います。また、プロジェクトのスケジュールや、期待される成果についても合意を図ります。
3.図面を確認
打ち合わせの結果を踏まえ、業者は無人売店(無人コンビニ)のレイアウトや設計図を作成します。
これには、商品の配置、支払いシステム、セキュリティシステムなどが含まれます。クライアントは図面を確認し、必要に応じてフィードバックを提供します。この段階での調整により、最終的な設計が決定されます。
4.施工
図面が承認されると、実際の施工が始まります。
これには、店舗の内装、電気・通信設備の設置、棚やディスプレイの組み立てなどが含まれます。また、無人売店(無人コンビニ)を管理するためのシステム(監視カメラ、在庫管理システム、決済システムなど)のインストールもこの段階で行われます。
5.店舗オープン
施工が完了し、商品が設置されたら、無人売店(無人コンビニ)はオープンの準備が整います。
オープン前には、機能テストを行い、すべてが正常に動作することを確認します。また、プロモーション活動を通じて、無人売店(無人コンビニ)の開店を告知し、顧客を惹きつけます。
6.定期ミーティング
店舗がオープンした後も、業者とクライアントは定期的にミーティングを持ちます。
これは、運営状況の確認、データ分析、顧客のフィードバックの収集、そして必要に応じた運営改善のためです。特に無人売店(無人コンビニ)の場合は、技術的な問題やセキュリティの課題など、迅速な対応が求められることが多いため、この定期的なコミュニケーションは極めて重要です。
無人売店(無人コンビニ)は強力な福利厚生ツール
いつでもおいしいものや必要なものが安く簡単に手に入る、そんなお店が社内にあったら従業員満足度は大きく向上します。店舗の設置・運営は専門の運営会社に任せれば手間もありません。
ここで紹介した心幸ストアやオフめしのように、すでに導入実績が多数あるサービスなら安心です。作業効率の向上と従業員のモチベーションアップのために、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
はたらく人に24時間“便利”を提供
企業内コンビニ「心幸ストア(SHINKO STORE)」は24時間営業の無人売店です。3坪ほどの小規模店から30坪以上の大型店まで対応可能で、企業の空きスペースや従業員数に合わせて最適な店舗を実現します。アイテム数は1200以上で、ニーズに合わせた商品ラインナップも可能です。
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