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就活生・求職者が求める福利厚生とは?採用に活かすために知っておくべきポイント

就活生・求職者が求める福利厚生とは?採用に活かすために知っておくべきポイント

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更新日|2025年1月24日
所長|おおたに
この記事の概要

企業が従業員に対して支給する給与以外の報酬として、福利厚生があります。福利厚生は従業員の生活や職場環境向上などに効果が期待できますが、その内容は企業によって大きな差があります。近年、福利厚生はさまざまな理由から就活生や求職者が仕事を探す上で重要なチェックポイントにもなっていることから、企業側でも福利厚生が採用活動において注目されています。そこでこの記事では、福利厚生の基本とともに採用活動で福利厚生が注目されている理由や福利厚生で得られるメリット・デメリット、福利厚生をアピールする方法などを解説します。

目次

福利厚生とは

福利厚生とは、企業が従業員やその家族を対象に給与と別に支給する報酬のことです。福利厚生が支給されるのは従業員やその家族の健康や生活向上に加えて、従業員のモチベーショアップなども目的とされており、その内容は企業によって大きな差があります。

近年、福利厚生は企業にとって優秀な人材確保のために必要な要素と位置づけられており、他社と差別化を図るために独自のオリジナリティあふれる福利厚生を設ける企業が増えています。

企業で採用されている主な福利厚生

福利厚生は、大きく分けて法定福利厚生と法定外福利厚生の2種類に分けられます。これらにどのような違いがあるのか、それぞれの内容とともに見ていきましょう。

法定福利厚生

法定福利厚生は、法律で定められている福利厚生で、すべての企業に実施が義務付けられています。

・健康保険

・介護保険

・厚生年金保険

・雇用保険

・労災保険

・子ども・子育て拠出金

企業は、これらの法定福利厚生にかかる費用の一部を、各保険で定められた一定の割合で負担する必要があります。実施義務化されているため、企業ごとに内容や負担割合の差はありません。

法定外福利厚生

法定外福利厚生は、企業が従業員やその家族に提供する独自の福利厚生です。法的に実施が義務付けられていないので、すべての企業が導入しているものではありません。

義務化されていないとはいえ、実際は多くの企業が法定外福利厚生を導入しています。以下のような手当や休暇制度が、法定外福利厚生の一例です。

・通勤手当

・住宅手当

・社員食堂などの食事補助

・リフレッシュ休暇

・健康診断補助

・育児支援

など、その他にも、他社と差別化を図るためにユニークな法定外福利厚生を導入している企業もあり、それらもすべてこの法定外福利厚生に該当します。

採用活動で福利厚生が注目される理由

採用活動では、ユニークで独自性の高い法定外福利厚生をアピールする企業があれば、特徴的な内容ではないけれど豊富な種類の充実した福利厚生を提供していることをアピールする企業もあります。

福利厚生は、就活生や求職者が仕事を探す際にチェックしているポイントだといわれます。なぜ、就職・転職時に福利厚生が注目されるのか、以下のような理由が挙げられます。

ワークライフバランスの充実

仕事と生活のバランスが取れた状態を示す「ワークライフバランス」は、仕事を探している人に限らず、働く人の多くが重要視するポイントの一つです。福利厚生はワークライフバランスを充実させるための方法の一つで、福利厚生が充実している企業は、従業員が働きやすい環境づくりに取り組んでいると判断できます。そのため、就活生や求職者は働きやすい環境がある企業を探すために、福利厚生をチェックしています。

仕事とプライベート両方を充実させることによって、どちらにとっても良い効果を生み出すことが期待できることから、ワークライフバランスの充実は企業にとって注目するべき要素といえます。

健康的に働ける環境かどうかの見極め

仕事をするには、健康が第一です。どんなに仕事に活かせるスキルや経験があっても、不健康な状態では思うように働けず、スキルを活かして活躍することも叶わずに仕事が続かなくなってしまうでしょう。自社の環境の良し悪しが従業員の健康に関わることがあるため、そのために整備される福利厚生は、いわば企業の基盤ともいえます。

このような理由から、従業員の健康支援、健康増進を目的とした福利厚生を導入している企業は多くあります。従業員がしっかり休める休暇制度や健康診断・人間ドッグ受診奨励、スポーツクラブ優待などの運動奨励に加えて、栄養バランスの取れた食事を取れる社員食堂なども、健康支援・健康増進を目的とした福利厚生に含まれます。

つまり、福利厚生は就活生や求職者が内容をチェックすることでその企業が従業員の健康を気遣い、健康的に働ける環境づくりを行っているかを見極める要素となるため、採用活動において注目されているのです。

経済的負担の軽減

福利厚生は企業が従業員の生活にかかる負担を一部支援することで、従業員の経済的負担を軽減できます。例えば、一人暮らしの従業員に住宅手当が支給されれば家賃負担を減らせ、社食制度があれば勤務時の昼食費を軽減できるでしょう。

就活生や求職者は、これからの将来への不安を感じている人が少なくありません。たとえ就職・転職先が決まったとしても、この先安定した暮らしが続けられるとはいえないでしょう。物価が上昇している昨今、特に毎日の生活で経済的負担を減らして生活を安定させたいと考えている人が多いことから、給与以外にもさまざまな支援や援助が受けられて経済的負担を減らせる福利厚生が充実しているかどうかが、チェックポイントとなるのです。

企業が福利厚生を充実させるメリット

福利厚生の充実は、働く従業員やその家族にメリットが得られるだけではなく、企業側にも福利厚生を充実させることで以下のようなメリットが期待できます。

優秀な人材の確保と定着率アップ

福利厚生は、就活生や求職者が仕事を探す際にチェックする項目の一つです。福利厚生が充実している企業は、待遇が良い企業という印象を持ってもらえるだけにとどまらず、同じ条件の複数の候補企業と比較した際に、福利厚生が充実している企業の方を選んでもらえるメリットがあります。「ここで働きたい」と思ってもらえれば、同業他社と差をつけられるので、優秀な人材を確保しやすくなるでしょう。

例として、新卒採用でより多くの優秀な人材を確保するために、地方や遠方の学生の応募を増やす目的で住宅手当や引越し手当などの拡充を福利厚生に導入している企業があります。このような福利厚生は、導入していない企業と比較した際に就活生や求職者にメリットが大きいため、導入企業を選択する可能性は高まるでしょう。

自社の福利厚生の充実度は、入社後の満足度に直結します。自分自身や家族に多くのメリットが得られる福利厚生を受けられればワークライフバランスが向上し、満足感を感じながら働くことができるため、福利厚生の充実は定着率アップにも寄与するのがメリットです。確保した人材の定着はもとより、すでに働いている従業員の流出防止効果も期待できます。

企業のイメージアップ

福利厚生の充実によって定着率がアップすることは、長く働きやすい企業であること、従業員を大切に考えた快適な職場環境づくりが行われていることを意味し、企業のイメージアップにつながるメリットがあります。

福利厚生が充実している企業は安定した経営基盤があり、健康経営が行われていることを裏付けていると判断できることから、就活生や求職者以外にも良いイメージを印象付けられるだけではなく、社会的なイメージアップにもつなげられます。

健康経営の実現

ワークライフバランスが注目されると同時に、心身への悪影響が懸念される長時間労働が見直されつつありますが、すべての企業がワークライフバランスを実現しているわけではありません。そんな中、近年は「健康経営」が注目されています。

健康経営とは、「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」と経済産業省が定義しており、企業理念に基づいて健康増進を行うことで従業員が仕事に対するモチベーションを高めることが、生産性アップや業績向上につながると捉えられています。

福利厚生が充実していれば従業員の満足度が高まり、その結果業績にも良い影響が期待できるため、福利厚生の充実は健康経営を実現する方法の一つとなります。

参考/経済産業省

就活生・求職者へのアピール

福利厚生の内容は企業に対するイメージアップに貢献するため、就活生や求職者に向けてポジティブな印象を与えられるアピールとなるでしょう。 特にワークライフバランスを重視している人、健康への関心が高い人にとっては、充実した福利厚生で健康経営を行う企業を志望する可能性が高いといえます。中でも、他社にはない独自の制度を導入している企業や、手厚い健康や生活サポートが受けられるなどの福利厚生は注目度が高く、企業の人気につながります。

福利厚生導入のデメリット

福利厚生には多くのメリットがありますが、良いことばかりではなく導入することによって発生し得るデメリットも存在します。福利厚生を導入する際は、デメリットも把握しておく必要があります。

手間やコストがかかる

福利厚生を導入するには、まず手間やコストがかかる点がデメリットです。福利厚生を利用するには所定の手続きを済ませる必要がありますが、その手続きの受付や処理、管理作業に手間がかかることが多いでしょう。福利厚生にかかる手続きのために、人件費が余計にかかることも考えられます。

企業が費用負担する福利厚生は節税効果が得られることはありますが、あまり多くの福利厚生を導入してしまうと、節税効果どころかコストが上回り、負担が大きくなる可能性もあります。

導入後の廃止が難しい

導入後の廃止が難しい点も、福利厚生のデメリットの一つです。一度導入した福利厚生は、簡単に廃止できません。

特に給与とは別に支払っていた手当は、法定外福利厚生であっても賃金と判断され、もし手当を廃止すると賃金が下がることになります。そのため、労働組合などとの交渉で同意を得なければならないのが、簡単に廃止ができない理由です。福利厚生を導入するためにかかるコストが企業にとって大きな負担になっていたとしても、労働組合の同意なしで一方的に廃止することは違法となる可能性があります。

また、福利厚生は従業員の満足度につながるものですが、必ずしも全員がそのメリットを享受できるものではなく、すべての従業員のニーズを満たすことは簡単ではありません。メリットが得られると見込んで福利厚生を導入したにもかかわらず、ほとんど従業員に利用されないというケースもあるでしょう。このようなケースでも、利用者が少ないからといってすぐに廃止できるとは限らない点に注意が必要です。

福利厚生の充実だけで人材が集まるとは限らない

福利厚生は就活生や求職者がチェックするポイントではありますが、当然ながら福利厚生だけを見て志望企業を決めるわけではないので、福利厚生を充実させるだけで多くの人材が集まるとはいえません。優秀な人材を集めるために福利厚生を充実させたとしても、想定よりも求人に対する応募者が少なかったり、企業が望む人材が集まらなかったりすることもあるでしょう。 福利厚生の充実は従業員のワークライフバランスを実現するための重要なポイントとなり得ますが、仕事そのものに充実感ややりがいがなければ、どんなに良い福利厚生を導入していたとしてもその企業への魅力は薄れてしまいます。優秀な人材を集めるには、福利厚生の充実だけではなく、まずは仕事に対するやりがいを感じられる環境を作ることが大前提です。

採用活動を見据えた福利厚生導入時のポイント

福利厚生は、優秀な人材を確保して定着率を上げるための要素の一つです。それを見据えて福利厚生を導入する場合の4つのポイントを解説します。

従業員の視点で導入制度やサービスを選択する

福利厚生は、従業員が利用してはじめて利用価値があるものです。利用してもらえなければ、その価値は下がってしまいます。従業員に必要とされていない、または一部の従業員のみにメリットがある制度やサービスだけを導入していても、採用活動のプラスにはならないでしょう。

採用活動を見据えて福利厚生の導入を検討している場合は、まずは何が求められているのか、従業員の視点で制度やサービスを選択することが重要なポイントです。導入前に従業員にアンケートなどを実施して意見や要望をヒアリングし、そこで集まった内容を元にすべての従業員が平等に利用できる制度・サービスを検討・選択してみましょう。

経営状況を考慮する

前述した通り、福利厚生の導入にはコストがかかります。従業員が福利厚生を活用してワークライフバランスの取れた健康的な生活を送ることによって仕事にやりがいを感じ、生産性アップにつながれば、福利厚生の導入にコストがかかったとしても結果的にプラスの効果が期待できます。その一方で、選択する制度やサービスによっては、企業が負担するコストが経営状況に悪い影響を及ぼす可能性もあります。

福利厚生へのコストのかけすぎで経営状況が悪化する事態を防ぐためには、無理なく導入できる制度やサービスを選択することもポイントです。社員食堂一つ取っても、社内で新たに食堂を設置することはコストが高くなりますが、食事補助には外部の社食サービスの導入や弁当提供タイプ、チケット制などさまざまな種類があります。経営状況を考慮し、影響が出ない程度のコストで無理なく導入できる福利厚生を選びましょう。

職場環境を整える

働きやすい環境を整備するための福利厚生は、活用できる環境が整っていなければ利用もままなりません。社員食堂を導入しても昼休みが十分に取れずに利用しづらい、休暇制度があるけれど実際は休みが取りづらいなど、利用できる環境が伴わなければ福利厚生は形骸化してしまいます。

福利厚生は、導入しただけで働きやすい環境ができるものではないので、形骸化させないためにも利用できる職場環境を整えておくことが大事です。そのためには、従業員に福利厚生の内容や目的、利用方法など周知を徹底して、職場環境を整えていきましょう。

そして、福利厚生は一度導入して終わりではないので、職場環境や従業員からの意見や要望などに応じて定期的に内容を見直すことも重要です。

就活生・求職者へアピールする

福利厚生は、企業側からアピールしなければ外部の人に知られることがないものです。採用活動で自社の福利厚生を強みにするのであれば、就活生や求職者へのアピールが欠かせません。

採用活動においても、企業のアピールポイントとして福利厚生は上位に挙がるほどなので、働きやすくワークライフバランスの実現がしやすい環境や福利厚生が整っていることを、企業が積極的にアピールしましょう。

福利厚生をアピールするには

自社の福利厚生を採用活動に活用するには、制度やサービスの導入に加えてアピールすることも必要です。では、どのようにアピールすれば効果的に就活生や求職者に福利厚生の内容を伝えられるのでしょうか。

福利厚生をアピールするには、採用サイトや自社の資料、採用説明会の場で説明する方法があります。しかし、ただ単純に導入している福利厚生の内容のみを羅列していても、求人・企業情報を見る側にはその意図や目的が伝わりません。

福利厚生をアピールするには、福利厚生の内容とともになぜその制度やサービスを導入するに至ったか、理由や目的も併せたメッセージとして伝えましょう。福利厚生を利用することで、どのようなメリットがあるか、従業員に対して何を求めているのかを伝えられれば、企業がどのような思いを持ち成果を求めているかが伝わりやすくなります。

求人情報に会社情報を掲載する際は、福利厚生に内容も書き添えるのがおすすめです。例えば、産休・育休制度には「取得率◯◯%以上」、資格取得支援制度には「受検費用全額補助」など記載すると、より具体的に内容が伝えられます。また、資格手当や家族手当、食事補助などの一定額が給与とは別に支給される福利厚生には、「月◯◯円以上」と具体的な金額も記載しましょう。

自社に最適な福利厚生を導入するなら心幸グループで

福利厚生は、従業員へのヒアリングから導入する制度やサービスの吟味、導入までのプロセスに時間やコストがかかるものです。内容によっては、自社のみで導入することが困難な福利厚生もあるかもしれません。そのような福利厚生の導入でお悩みのときは、福利厚生をサポートする心幸グループへ依頼してみましょう。

心幸グループでは、企業ごとに最適なオーダーメイドの福利厚生をワンストップでサポートしています。企業内売店やコンビニ、社員食堂の運営・管理や置き社食などのサービス提供、健康経営サポートするプログラム「オフけん」など、グループ間での連携によって幅広い種類の福利厚生を提案し、導入をスピーディーにサポートします。

まとめ

福利厚生の中でも、法的に義務付けられていない法定外福利厚生は導入の有無が各企業の裁量に任せられています。義務ではないため導入していない場合でも問題はないものの、ワークライフバランスの実現や健康経営には、福利厚生の充実が求められます。

そして、福利厚生は健康的に働けて経済的負担を軽減できる職場環境が整っているかどうかを見極める要素の一つなので、就活生や求職者が重視するポイントでもあります。福利厚生が充実していれば優秀な人材を確保でき企業がイメージアップできるメリットがある一方で、コストや導入後のデメリットもあるので、福利厚生は自社に最適な制度やサービスの導入、運営が求められます。従業員のニーズを把握した上で経営状況や職場環境を整備して導入した福利厚生は、採用活動に効果的となるでしょう。

心幸グループでは、自社のみでの導入が難しい福利厚生もサポートが可能です。採用活動に活かせる福利厚生を検討している場合は、ぜひご相談ください。

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