職場活性化アイデア15選!事例10選!取り組みのポイントを解説
業界や企業規模を問わず、ビジネスシーンでは「職場活性化」というキーワードが注目を集めています。職場活性化とは従業員の仕事に対するモチベーションや働きがいを高めるための取り組みを指します。職場活性化に成功すると、生産性・パフォーマンス・働きやすさの向上など様々なメリットが期待できます。今回は、職場活性化のアイデア15選と事例10選、さらに取り組みのポイントを紹介します。
目次
職場活性化とは?
職場活性化の取り組みは従業員のモチベーションや働きがいを高め、生産性・パフォーマンスの向上へと繋がります。活性化した職場では従業員が積極的に仕事へ取り組む環境が整い、自分の持つ能力を最大限に活かして働くことができるためです。個々の目標達成は組織の目標実現にも大きく貢献してくれると言えるでしょう。
一口に職場活性化と言ってもアプローチの方向性は様々ですが、主なものとしては「モチベーション向上」「参加・協力の促進」「スキル開発と成長機会」「コミュニケーションとフィードバック」「仕事とプライベートのバランス」の5つが挙げられます。
「モチベーション向上」:
企業がどれだけ職場環境を整えても、従業員のモチベーションが低いとあまり意味がありません。職場活性化では従業員の積極性や能動性を促し、自ら率先して仕事に取り組んでやりがいを感じてもらうことが重要です。例えば目標達成・成果実現に対する報酬制度や、業務裁量権の付与などがモチベーション向上に繋がる取り組みの一例と言えます。
「参加・協力の促進」:
仕事をスムーズに進めるためには職場全体の連携力も求められるでしょう。従業員が組織の一員として意見やアイデアを発しやすいフラットな雰囲気作りや、上司と良好な協力関係を築いてチームワークを強化することも職場活性化のアプローチなのです。
「スキル開発と成長機会」:
職場を活性化させるには、各従業員の向上心を大切にすることも心がけましょう。成長や挑戦の機会が充実している職場では従業員のモチベーションが上がり、自己実現のために積極的な行動をとるようになります。スキルアップトレーニングや研修の実施、従業員の希望に合わせた柔軟なキャリアプランの提供などが効果的です。
「コミュニケーションとフィードバック」:
従業員の希望や現状を把握するには従業員が経営者・管理職と縦方向のコミュニケーション、並びに同僚間で横方向のコミュニケーションを取りやすい風土作りも大切になります。仕事のフィードバックや情報共有が円滑になることで、従業員への理解度や当人のパフォーマンスが改善し社内の風通しも良好になるでしょう。取り組みが進んだら、部署や職種を超えた「ななめ方向」のコミュニケーションにも着目してみてください。
「仕事とプライベートのバランス」:
従業員は生活におけるすべての時間を職場で過ごす訳ではありません。仕事とプライベートの両方が充実してこそ、職場活性化の実現に繋がります。ワークライフバランスを整えやすい職場では、テレワークやフレックスタイム制といった柔軟な働き方や休暇制度の充実が図られているので参考にしてみてください。プライベートが充実するだけでも、従業員満足度や生産性向上が期待できます。
職場活性化の目的は「従業員の幸福感、および組織の持続的な成功」を実現することです。活性化に成功した職場では従業員の成長が加速し、その成長は組織にも大きく貢献しています。労使の相乗効果によって競争力やイノベーション力が高まるため、ライバル会社に差を付けて市場優位性を確保することにも効果的です。
職場活性化のメリット
職場活性化は、生産性の向上、従業員のパフォーマンスや働きがいの向上、チームワークの強化、優秀な人材の確保、イノベーションの推進など、組織に多くのメリットをもたらします。従業員がやりがいを感じ、能力を最大限に発揮できる環境を整えることで、組織の成果と成長を促進します。
生産性の向上
職場活性化により、従業員が仕事に対してやる気や意欲を持ちます。その結果、業務の効率や品質が向上し、組織全体の生産性が高まります。
従業員が自分の仕事に対して熱心に取り組み、成果を出すことで、組織の業績が向上します。
パフォーマンスの向上
活性化された職場では、従業員が自身の能力を最大限に発揮できる環境が整います。従業員のモチベーションが高まり、成長の機会や挑戦が与えられることで、より優れたパフォーマンスを発揮することができます。
従業員の能力やスキルを活かすことで、組織は競争力を強化します。
働きがいの向上
職場活性化により、従業員は仕事に対してやりがいを感じます。自己成長の機会や適切な報酬制度、働き方の柔軟性が提供されることで、従業員の働きがいと満足度が向上します。
働きがいを感じる職場は、従業員の定着率を高めるだけでなく、優秀な人材の獲得にもつながります。
チームワークの強化
職場活性化は、従業員間のコミュニケーションや協力関係を活発化させます。チームビルディングの機会やプロジェクト活動を通じて、従業員同士が協力し合い、信頼関係を築きます。
チームの連携や協働能力が高まることで、業務効率が改善し、組織全体の成果を最大化します。
優秀な人材の確保
活性化された職場は、魅力的な環境となり、優秀な人材の維持と吸引に貢献します。
成長の機会や働きがいのある環境が提供されることで、従業員は組織に忠実になります。組織は優れた人材を確保し、競争力を維持することができます。
イノベーションの促進
職場活性化は、アイデアの発信やイノベーションの推進に効果的です。従業員が自由に意見やアイデアを出し合う文化が醸成されることで、新たな発見や改善が生まれます。
従業員の創造性とイノベーション力が活かされ、組織は競争力を高めることができます。
職場活性化アイデア15選
これらのアイデアは、経営者・人事主導型、管理職主導型、従業員参加型の要素を組み合わせることで、職場の活性化を促進する効果的な手段となるでしょう。
経営者・人事向け
経営方針や目標の共有
経営者や人事部は、経営方針や目標に関する情報を従業員と共有します。定期的な会議や報告を通じて、従業員が組織のビジョンや目標を理解できるようにします。
透明性の向上により、従業員は自身の役割や貢献度をより明確に把握し、仕事への意欲や協力度が高まります。
フィードバック文化の構築
経営者や上位管理職は、従業員に対して定期的なフィードバックやパフォーマンスレビューを行います。具体的な指導やアドバイスを提供し、従業員の成長をサポートします。
また、従業員同士のフィードバックも奨励し、相互の成長を促進します。
スキル開発プログラム
経営者や人事部は、従業員のスキル向上を支援するための研修やトレーニングプログラムを提供します。
具体的な技術やリーダーシップスキルの習得に焦点を当てたプログラムを設計し、従業員の能力向上を図ります。
キャリアパスの明確化
経営者や人事部は、従業員が将来のキャリアパスを見据えられるようにサポートします。成果や能力に基づいた昇進や昇給の基準を明確にし、従業員に成長の機会を提供します。
また、キャリア開発プランや目標設定のサポートを通じて、従業員のモチベーションや満足度を高めます。
インセンティブ制度の導入
経営者は、成果や貢献度に応じて報酬やインセンティブを与える制度を導入します。
目標達成や優れたパフォーマンスに対するインセンティブは、従業員のモチベーションや努力を奨励し、働きがいを高めます。
管理職向け
リーダーシップトレーニング
管理職はリーダーシップスキルを磨くためのトレーニングを受けます。
コミュニケーション能力の向上やチームビルディングのスキルを習得し、部下のモチベーションやパフォーマンス向上に努めます。
フレキシブルな労働時間
管理職は、従業員に柔軟な労働時間制度を提供します。
部下のワークライフバランスを尊重し、効果的なタスク管理と働き方の選択を支援します。
目標設定と追跡
管理職は、個別の目標設定を従業員と協力して行います。
目標は具体的で測定可能なものであり、定期的な進捗報告やフィードバックを通じて進行状況をフォローアップします。
チームビルディング活動
管理職は定期的なチームビルディングイベントや活動を計画し、部下との信頼関係や連帯感を高めます。
チームの協力やコラボレーションを促進し、職場の雰囲気を活気づけます。
モデルとなる行動
管理職は、従業員に対して理想的な行動や態度を示すことが重要です。従業員は管理職を見習い、組織の価値観や仕事への取り組み方に影響を受けます。
管理職自身がモチベーションを高め、積極的な態度を示すことで、職場全体の活性化を促進します。”
従業員向け
アイデアボックスの設置
従業員は、アイデアや提案を匿名で投稿できるボックスやデジタルプラットフォームを提供します。
従業員の声を積極的に収集し、組織の改善やイノベーションの推進に役立てます。
プロジェクトチームの形成
従業員同士のクロスフィンクションのプロジェクトチームを組織します。異なる部門やバックグラウンドの従業員が協力し、新たなアイデアや解決策を生み出します。
この取り組みにより、従業員同士の横のつながりが生まれ、所属部署だけでなく組織全体の活性化にも役立ちます。
メンタリングプログラムの提供
上位従業員や経験豊富なメンバーが下位従業員をサポートするメンタリングプログラムを導入します。
メンターとなる従業員が、経験や知識を共有し、指導や助言を提供します。これにより、従業員の成長と自己啓発が促進されます。
社内イベントの開催
定期的な社内イベントを通じて、従業員同士の交流やコミュニケーションを深めます。
例えば、ランチ交流会やスポーツ大会、アウトドア活動などのイベントを計画します。こうした活動は、従業員の連帯感や結束力を高め、職場の活気を醸成します。
報奨制度の設置
従業員同士の協力や成果に応じて報奨制度を設けます。
例えば、チームの目標達成や優れた業績に対してボーナスや表彰を行います。報奨制度は従業員のモチベーションを高め、チームの競争力やパフォーマンスを向上させます。
職場活性化事例10選
自社における職場活性化の具体的なイメージを思い描くには、実際の事例を参考にするのがおすすめです。ここからは職場活性化に成功した国内の事例を見ていきましょう。
スープストックトーキョー
スープストックトーキョーでは2018年から3ヵ年計画で「働き方開拓」を実施しました。柱となったのは「生活価値拡充休暇」「ピボットワーク制度」「セレクト勤務制度」の3つです。同社では暦通り120日間の休日を確保することを目標に毎月の公休日を1日増やして9日間とし、季節休暇を従来の6日間から12日間に倍増させました。
人手不足は店長経験者で構成される「拡充隊」によってフォローしています。ピボットワークは従業員のスキルアップを積極的に支援する副業制度です。セレクト勤務制度は勤務時間を6時間~8時間の間で調整できる(30分刻み)勤務形態で、家事・育児・自己研鑽など従業員の様々な事情に寄り添いました。結果的に従業員のワークライフバランスが改善し、育休・産休は「当然の権利」という雰囲気が根付いています。
伊那食品工業
職場の快適性を企業の最優先事項として掲げる伊那食品工業では、まずその企業理念を記した「社是カード」を全従業員に配布して意識の共有を図っています。その上で60歳までの昇給保証と20を超える豊富な福利厚生によって、末永く安心して働ける職場の構築に努めました。
産休・育休を取りやすい雰囲気作りは会社のトップが自ら旗振り役となり、5年間でのべ76人が産休・育休を取得するという結果を残しています。毎年の採用人事では産休・育休取得者の補填を考慮した人数を配置し、現場に負担をかけないような対策も行っています。
ヤフー
ヤフーでは社内コミュニケーション強化の一環として「1on1ミーティング」を導入しました。この施策の目的は大きく分けて「成功体験を次の仕事に活かしていくスキーム作り」「部下の潜在能力を引き出す」の2点です。
同社では週に1回30分間、落ち着いて話せる場所を確保して部下の話を聞くというシンプルな取り組みを2012年頃から実施しています。その結果、社内では従業員が本当にやりたい仕事へ取り組める環境が整い、1on1ミーティングが文化として根付きました。成功の背景には「目的の明確化」や「経営層のコミットメント」といった細かいポイントへの配慮も多く、外部の専門家によるアドバイスも積極的に取り入れられています。
参考/ヤフー公式HP
エン・ジャパン
エン・ジャパンはIT技術を有効活用した様々な職場活性化施策が導入されています。例えば2020年から本格化した新型コロナウイルスへの対策としていち早くリモートワークを導入し、スタンダードなワークスタイルの1つとして定着させました。
さらにバーチャルオフィスを活用することで、リモート環境でも積極的なコミュニケーションを実現しています。無機質になりがちなオンラインミーティングでは、映像の背景を自由に設定して遊び心を加えるという取り組みもユニークです。社内SNSの他にもYoutubeで社内情報を発信するなど、従業員が新しい情報をチェックしやすい工夫が凝らされています。リモート環境でも疎外感を感じさせない環境作りで、仕事に対するモチベーションを高く維持することに成功しました。
サイバーエージェント
サイバーエージェントで2016年11月から導入された「全社棚卸会議」では、各部署で年に2回の業務棚卸を実施しています。個々の従業員が抱えている業務を徹底的に洗い出し、「捨てる業務」「やめる業務」「形を変える業務」といった具合に業務効率化を図る取り組みです。
部署の全員が参加することで業務の全体像が把握できるようになり、上司の積極的関与によってその場で決議を採るためスピード感があります。同社ではこの取り組みによって負荷の高い業務を効率化させて、従業員の生産性が高まりました。
サイボウズ
制度・ツール・風土など多角的な視点から総合的に職場活性化に取り組んでいるのがサイボウズです。同社は持ち前の技術力を活かしてグループウェアを開発し、情報共有やコミュニケーションの土台を強固なものにしました。
在宅勤務・育児休暇・副業といった取り組みの他にも、人事や給与の評価制度見直しを行うなど抜本的な改革を実践しています。他部署への体験入部や子連れ出勤制度は先進的かつユニークな施策です。「理想への共感」「多様な個性の重視」「説明責任・質問責任」をはじめ、従業員が意見を発しやすい文化を提唱して浸透させることにも成功しています。これらの取り組みの結果、2005年に28%をマークしていた同社の離職率は2022年に3%前後まで落ちました。
参考/サイボウズ公式HP
ららぽーと門真・三井アウトレットパーク大阪門真
三井不動産が手がけるショッピングセンター、三井アウトレットパーク大阪門真には従業員専用のコンビニが設置されています。大手企業での導入事例が増えている従業員専用コンビニは、主に従業員満足度の向上を目的とした施策です。
心幸サービス株式会社によるこのコンビニは24時間営業の無人店舗で、一般的な有人店舗と遜色のない品揃えを実現しています。大型ショッピングセンターで働く従業員は休憩時間や出退勤時の買い物に苦労しがちですが、その悩みを解決して職場の快適性向上に効果を上げているのです。
より詳しい情報は/心幸グループ公式HP
名正運輸
仕事は従業員の身体と心が健康であって初めて成り立つもの、その原点に立ち返って健康経営に着手する企業も増えています。職場活性化についても同様で、従業員が健康でなければ施策の効果を引き出すことは難しいと言えるでしょう。
名正運輸は2022年の健康経営優良法人にも認定されている企業ですが、同社の大きな取り組みとしてはドライバーの禁煙支援が挙げられます。禁煙手当支給制度や禁煙車両選択制度といった取り組みで従業員の禁煙をサポートし、企業イメージとサービス品質の向上に効果を上げました。また、禁煙サポートの一環としてオフけん(心幸ウェルネス)による禁煙動画講習が活用されています。
より詳しい情報は/心幸グループ公式HP
ローバル
健康経営という側面から本格的な職場活性化を目指しているのが塗料メーカーのローバルです。同社では「オフけん(オフィスに健康を)」の健康経営サポートプログラムを導入しています。
同社は元々健康経営優良法人の認定を受けている企業ですが、プログラムの導入によって健康経営への取り組みを強化しました。年2回の「からだ測定会」では一般的な健康診断よりもキメ細かい数値を測定可能で、結果は各従業員が専用アプリから確認できる仕組みです。必要に応じて健康セミナーや運動セミナーも開催しており、従業員が健康な身体で末永く働くためのサポート体制が整いました。
より詳しい情報は/心幸グループ公式HP
社会福祉法人育福会
社会福祉法人育福会では身体の内側から従業員を健康にすべく、心幸の置き社食「オフめし自動販売機」を設置しています。同社は特別養護老人ホームを運営しており、24時間シフトで働くすべての従業員に健康的かつおいしい食事を提供する術を模索していました。
従来のオフめしは常温商品を棚に並べて集金箱に代金を入れて利用するサービスでしたが、自動販売機にすることで冷凍食品にも対応可能になっています。自動販売機の導入は同社が初で、商品ラインナップの拡充やセキュリティ性向上など様々なメリットが実証されました。
休憩のためにコンビニやスーパーまで出かける必要がなく、ゆっくり身体を休めながら健康に配慮した食事を取れるため、従業員満足度の向上に繋がっています。
より詳しい情報は/心幸グループ公式HP
職場活性化取り組みのポイント
職場活性化を成功させるためのポイントは、大きく分けて以下の4点です。準備から運用まで要点を押さえて、的確に実施できるように予備知識を身に付けておきましょう。
職場の課題を把握する
職場活性化の成否は準備段階で大きく左右されると言っても過言ではありません。施策を導入する前に、まず「自社が解決すべき課題は何なのか」という点を明確にしましょう。優れた施策であっても自社の課題を解決するものでなければ効果は期待できません。
経営層・人事部が定期的に従業員とのコミュニケーションとフィードバックを繰り返し、現場の意見・感想を収集してください。また、業績データや労働環境の調査結果は、客観的な数値として課題の本質理解に大きく役立ちます。「従業員の声」と「客観的データ」の双方を参考にしながら、自社の現状を正確に把握しましょう。
ストレスチェックの実施
ストレスは健康の大敵であり、目に見えないため把握が難しい要素でもあります。管理者が従業員のストレスを早い段階で察知するには、定期的なストレスチェックが有効です。ストレスチェックは2015年12月から改正労働安全衛生法によって、常時雇用50人以上の事業所において義務となっています。
一般的に「仕事の要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」という3つの設問群から構成され、従業員が抱えるストレス要因や心理的負荷の特定、高ストレス者の早期発見や適切な処置の実施を目的として行います。結果を個別にフィードバックして従業員のメンタルヘルス向上に向けキメ細かくサポートするだけでなく、高ストレス者の多いグループを特定することで、大きな課題点も見えるようになります。ストレスチェックは実施者や医師の協力が必要になるので、入念な準備を心がけましょう。対象となる従業員への周知も重要です。
従業員サーベイの実施
従業員の現状を把握するためのアンケートを従業員サーベイと呼びます。従業員サーベイはストレスチェックと共に、社内の実情を把握する上で大きな役割を果たす取り組み。サーベイは従業員の満足度・ストレス要因・改善点・組織文化・コミュニケーションなど、多角的な視点から意見を収集します。
表面的に分かりにくい課題点を洗い出せるという点がメリットです。効果的に実施するためには従業員の匿名性や機密性を確保して、正直な意見を書いてもらうことが重要になります。職場活性化のための具体的な改善策やアクションプランを立案するためには、こうした情報収集による状況把握が大切。従業員サーベイは定期的に実施して、現場の実情を正確に把握するよう努めてください。
心理的安全性の確認
職場を活性化させるには、従業員の心理的安全性を確保することも企業としての務めであるという意識を持ちましょう。ここで言う心理的安全性とは、仕事のミスや価値観の相違によって自分が不当に責められないことを意味します。各人が失敗を恐れずに発言・行動できる企業風土こそが、職場活性化の理想的な状態です。
創造性やイノベーションは社内のオープンな雰囲気で交わされるコミュニケーションから生まれます。平等な発言機会と、お互いを尊重し合える空気感を目指しましょう。必要であれば組織文化やリーダーシップのあり方を見直すことも検討してください。従業員の自己表現は、心理的安全性を前提として成り立つのです。
職場活性化計画の作成と実施
職場活性化は正しいプロセスに沿って計画的に実行することが肝要です。ここではその計画作成と実施について解説します。
活性化計画の作成
職場活性化のためには、まず「課題の洗い出し」から始めます。従業員のフィードバックやデータ分析を中心に、具体的な課題や改善すべき点を把握しましょう。課題が見えてきたら、今度は「目標の設定」に移ります。
例えば生産性の向上・従業員の満足度の向上・コミュニケーションの改善などがその一例。具体的な目標が固まれば今後の方針が見えてくるので、「戦略とアクションプランの策定」に着手しましょう。この段階で初めて、各課題に対して必要な取り組みや具体的な改善策を立案します。
活性化計画の実施
職場活性化の計画は従業員と共有し、積極的な参加を促します。従業員に対して計画の内容と目標、具体的なアクションプランを明確に伝えて意見や貢献を求めてください。施策は一方的に押し付けず、現場の理解を得ることが重要です。必要であれば計画の加筆修正も検討しましょう。
アクションプランは実施するだけでなく、経過のモニタリングも重要。各取り組みで責任者を任命し、進捗の定期確認や調整・サポートを行いましょう。また、新しい計画の実施に際して従業員が必要とする支援やトレーニングを受けられる環境も整えます。求められるリソースやスキルを提供し、従業員の能力向上と成長をサポートしてください。
成果報告と記録
職場活性化の取り組みは実施したらそれで終わりではなく、結果を評価した上で目標達成度や効果を分析することが重要です。従業員からのフィードバックや計画の実施状況も、客観的評価の重要な判断材料となります。実施結果は従業員や関係者と共有し、達成した成果・改善点を詳しく報告しましょう。
従業員の参加と貢献を称えて施策の成功を共有することで、職場の一体感が強まるのです。従業員にも「この取り組みには意味があった」と納得してもらえます。実施結果・成果・フィードバックなどは記録として残し、将来の参考資料として活用してください。施策を振り返る場を設けて、反省点や改善点は次なる計画の糧とします。
施策実施の注意点
施策の実施にあたっては次の注意点を押さえておくと、職場活性化の実現がスムーズになります。
従業員の声を反映する
職場活性化の施策は現場の従業員の意見を主体として行うもの。したがって現場の声を無視した施策は失敗に終わるリスクが高く、労使の間に亀裂が生じる原因にもなり兼ねません。
職場活性化に際しては、従業員の意見や感想を積極的に汲み取って施策に反映させることを心がけてください。従業員の要望や直面している課題を把握し、それらを解決するための施策を設計しましょう。計画段階での従業員参加や運用時のフィードバックなど、現場の意見・アイデアを積極的に取り入れると施策の質と効果が高まります。
職場の強みを活かす
職場活性化は0から組織を作る施策ではないため、今ある職場の「強み」を活かすことを意識してください。物事の改善においては修正点やネガティブな要素に気を取られがち。しかしこれまで培ってきた長所を上手に活用すれば、従業員のモチベーションや関与度が高まるため施策の受容性および成果の向上が期待できます。
今までの取り組みが無駄ではなかったと証明されるため、組織全体の自信にも繋がるでしょう。組織文化やチーム特性、各従業員の能力などを考慮して施策をカスタマイズしてみてください。
定期的に施策の効果を確認する
施策の実施後は定期的に効果を検証してください。目標達成度を評価すると共に従業員からのフィードバックを確認し、施策の効果を客観的に分析しましょう。職場活性化も商品開発やサービス運用と同じで、PDCAサイクルを回すことが重要。改善点があれば随時従業員と共同で修正を行い、より一層質の高い施策を目指してください。
定期的な評価とモニタリング、および必要な調整・改善を行うことで施策の効果が最大化されます。真の意味での職場活性化成功は運用次第とも言えるでしょう。
職場活性化を実現して、労使共に望ましい環境と関係性を構築しよう
従業員が積極的に仕事へ取り組み、高いモチベーションを維持しながらのびのび働くためには職場活性化が効果的です。施策の実施は経営者サイドの独断ではなく、従業員との二人三脚であることを意識しながら進めてください。
職場活性化のためには、外部サービスを利用するという選択肢も大いに有効です。サービス選びに迷ったら実績豊富な心幸グループの福利厚生支援サービス、特に健康経営サポートの利用を検討してみてください。
元気な会社は社員が元気!健康経営サポート
オフけん(運営:心幸ウェルネス)では、「健康経営優良法人」認定取得サポートを中心に、企業の健康経営をバックアップしています。形だけの健康経営ではなく、従業員の健康と幸福に真剣に向き合う取り組みを提案。真の健康経営を実現しています。「からだ測定会」では、体成分測定・体力測定により従業員一人ひとりのからだ年齢が明らかに!他にも、健康セミナー、禁煙サポートなどのサービスを通して、従業員の健康意識を向上させ、元気な会社づくりに貢献します。
オフけんはこちら