働き方改革を推進するなら福利厚生を重視しよう!その理由や方法は?
優秀な人材を確保し、会社の業績を上げるには「働き方改革」が必要です。そのため多くの企業が改革に取り組んでいますが、カギとなるのは福利厚生です。つまり、福利厚生を充実させると働き方改革を実現できるようになります。この記事では福利厚生が重要な理由について説明します。また、福利厚生を充実させる方法について解説します。
目次
働き方改革とは
働き方改革が実現できるかどうかは福利厚生にかかっているといっても過言ではありませんが、その理由について説明する前に、働き方改革について説明します。
働き方改革の概要
働き方改革とは、働く人が自分の事情に合った多様で柔軟な働き方を自分で選択できるようにするための改革です。海外からは「日本人はまじめで働き過ぎ」と指摘されることがある一方、日本国内には「仕事が忙しすぎて有給休暇が取れない」「残業が多い」という不満が存在します。このような労働環境を改善し、働く人が自分に合った働き方を選択できるようにすることが働き方改革です。この改革が実現すると、働く人は将来に対しより良い展望を持てるようになります。そのため、現在、国はこの改革に取り組んでいます。
改革推進を担当する行政機関は厚生労働省で、その提案に基づき国会は労働基準法をはじめとする8つの法律を改正しました。それらはまとめて「働き方改革関連法」と呼ばれており、2019年4月より施行されています。この法改正で最も注目されているのは、残業時間の上限が明確に定められ、それを超えて労働者を働かせた企業は罰せられるようになった点です。労働者に有給休暇を取得させなければならないことや、フレックスタイム制の拡充が可能になったこと、また、育児休業制度が拡充され「イクメン」(育児に携わる男性)が注目されるようになったのも「働き方改革関連法」に基づいています。
働き方改革を実現するため、厚生労働省は前述した長時間労働の是正や育児支援の他に、労働者の待遇の公正化に取り組んでいます。待遇の公正化とは非正規社員に対する不合理な待遇をなくすことです。パートタイム労働者や派遣労働者などの非正規社員は正社員に比べ基本給や賞与などが少なくなっていますが、働き方改革に関する取り組みの一環として、両者間の不合理な格差は禁止されるようになりました。
その他にも「ダイバーシティ」が推進されていますが、「ダイバーシティ」とは「多様性」という意味の言葉です。ここでの多様性とは国籍、性別、年齢などを区別しないことを指しており、国は女性の労働環境改善、高齢者や障害者の就業支援、子育てとの両立、外国人材の受け入れに取り組んでいます。その中でも特に重視されているのは高齢者の就労で、国会は「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高齢者雇用安定法)を改正しました。この法改正は少子高齢化による労働人口不足を解消するために行われており、高齢者は70歳まで働くことができるようになりました。つまり、労働者が希望するならば、70歳まで採用し続けることが企業には求められています。なお、企業は努力しなければならないだけで、定年年齢の引き上げまで義務づけられているわけではありません。
さらに、賃金引き上げ、再就職支援、ハラスメントの防止など、多くの取り組みが働き方改革の一環として実施されています。つまり、もともとは「働く人が柔軟で多様な働き方を自分で選べるようにすること」を内容としていましたが、より広く労働環境を改善することが働き方改革として捉えられるようになっています。
働き方改革が推進されるようになった背景
国が働き方改革について検討するによるになったのは2010年代の半ばですが、改革が推進されている背景には「少子高齢化による労働力の減少」と「労働環境の是正」といった2つの社会的要請が存在します。つまり、少子高齢化が進む我が国では労働人口の大幅な減少が見込まれていますが、労働力を確保するには働きやすい環境を整えることが必要なのです。
特に若い世代は仕事と生活の調和(ワークライフバランス)を強く意識しているため、それが実現可能な働き方に変えていかなければ、若者の採用は難しくなるとされています。なお、この改革を実現し、多様で柔軟な働き方が可能になれば、現在働いている人の離職を防止することも可能です。また、高齢者も働きやすくなるため、労働人口の減少を補うことができます。
その他にも、諸外国に比べ我が国の労働時間は長いことが問題視されてきました。長時間労働には健康を害するリスクがあり、過労死という深刻なケースも発生しています。このような状況を改善するために必要とされているのが働き方改革です。
日本の課題とは?働き方改革により期待されていること
働き方改革を実現すれば「長時間労働の是正」「生産性の向上」「働き方の多様化」が実現できると期待されています。以下ではこれらの点について説明します。
長時間労働の見直し
働き方改革で最も期待されているのは長すぎる労働時間を短くすることで、国もこの点に力を入れています。特に国会は法律を改正し、これまで曖昧だった残業時間の上限を月45時間、年360時間と明確に定めました。この上限を超えて従業員を働かせた事業主は罰せられます。なお、このような罰則は「働き方改革関連法」で初めて取り入れられました。
その他に、年10日以上の有給休暇が取得可能な労働者であれば、企業が時季を指定し、5日間の有給休暇を確実に取らせるようになった点が注目されています。これは同僚に気兼ねし、有給休暇を取らない労働者がいることを踏まえた措置です。労働時間が短くなると、働く人は余暇を充実させたり、健康増進に役立つ活動を拡充したりすることができます。その結果、働く時間は短くなるものの、仕事の成果は上がることが期待されています。
なお、労働時間を減らすだけで仕事の量は減らさないとすれば、従業員の負担は減りません。労働人口が減少したり、人員削減が行われたりする中、従業員の労働時間を短縮するのは容易ではありませんが、長時間労働の是正は仕事量の適正化と同時に進めることが重要です。
生産性の向上
前述したように、労働時間短縮の効果として期待されているのが生産性の向上、つまり、労働者がより多くの成果を上げることです。働き方改革によってプライベートな時間が増えれば、労働者は心身をリフレッシュさせることができ、その結果、仕事に対するモチベーションや集中力が高まると考えられています。
また、在宅勤務によって通勤にかかる負担をなくしたり、自分に合った場所でリラックスして働けるようになったりすると、生産性が上がると期待されています。なお、生産性の向上は少子高齢化に基づく労働人口の減少を補う上でも重要です。
多様な働き方の実現
働き方改革とは働く人が自分に合った多様で柔軟な働き方を可能にするための改革で、その実現、つまり多様な働き方が可能になることが期待されています。「多様な」働き方とは、社員が同じ時間に出退勤するのではなく、働く人一人ひとりが自分の事情に合った時間に働くことを指しています(フレックスタイム制)。働く人が労働時間を決めること、つまり、就業規則で定められている1日8時間労働ではなく、6時間に短縮することも多様な働き方の1つです(時短勤務)。
多様な働き方には従業員が自分の事情に合った場所で働くこと、例えば、在宅勤務(テレワーク)をすることも含まれます。このような働き方が必要とされているのは、育児、介護、通院などが理由で出社できない人がいるためです。働く場所を柔軟にすると、離職者が減るだけではなく、働く人のモチベーションや能率が上がることが期待できるため、企業にとってもメリットがあると考えられています。
なお、従業員一人ひとりに専用のデスクを割り当てず、社内の好きなところで働けるようにするフリーアドレス制も多様な働き方を可能にする方法の1つです。
働き方改革の推進は福利厚生がカギ!その理由は?
ところで、働き方改革が実現できるかどうかは福利厚生にかかっているといっても過言ではありません。以下ではその理由について説明します。
充実した福利厚生により社員満足度を高められる
第1に、福利厚生を充実させると社員の満足度が高まるからです。福利厚生とは従業員やその家族の健康状態や生活水準を向上させることを目的とし、企業が従業員に与える報酬やサービスです。
福利厚生を拡充すると従業員の負担やストレスが軽くなるだけではなく、会社に対する満足度が高まるため、仕事に対するモチベーションも高くなります。
従業員の健康を気遣うことでパフォーマンスが向上する
第2に、福利厚生を充実させ、企業が従業員の健康に配慮すると、従業員のパフォーマンスが向上し、企業の業績が上がるからです。栄養バランスのとれた食事を提供する社員食堂を設置したり、健康診断を実施したりするなど、福利厚生は従業員の健康と深く関わっています。
社員が健康であれば、仕事に関する能率や業績は上がります。また、会社が社員の健康増進をサポートすると、体調不良による休職や離職を防止することができます。
多様な働き方を実現させる環境作りができる
第3に、福利厚生を拡充すると多様な働き方が可能になる環境が整備されるからです。テレワークや在宅勤務、フレックスタイム制や時短勤務の導入など、従業員が自分の事情に合った柔軟で多様な働き方ができるようにすることも福利厚生に含まれます。
なお、コロナ禍で在宅勤務が普及したことにより従来の福利厚生には見直しが必要になりました。例えば在宅勤務手当や光熱費の支給、従業員の健康・体調管理やメンタルヘルスケアなどが求められるようになり、実際に行っている企業も存在します。
また、いわゆる「コミュニケーション手当」を支給し、社員がオンラインで行う昼食会や懇親会を補助する企業もあります。
ワークライフバランスを実現できる
第4に、福利厚生を充実させると「ワークライフバランス」が実現できるようになるからです。ワークライフバランスとは「仕事と生活の調和」と訳されている言葉で、仕事と私生活の両方を充実させるという意味を持っています。
福利厚生の一環として柔軟な勤務制度(フレックスタイム制、時短勤務、在宅勤務など)を実施したり、休暇を取りやすくしたりするとワークライフバランスが実現できるようになります。
働き方改革を推進できる福利厚生にはどんなものがある?
働き方改革の実現に貢献する福利厚生にはさまざまなものが含まれます。この段落ではそれらを7つに分類し説明します。
勤務形態
まず勤務形態に関する福利厚生について説明します。
テレワーク
テレワークとは情報通信技術を使って仕事をすることで、その例としては、自宅で働く「在宅勤務(リモートワーク)」や、サテライト・オフィスや出張先などで働く「モバイルワーク」を挙げることができます。
さらに、出社してテレワークを行う「ハイブリッドワーク」も徐々に増えていますが、福利厚生の一環として行われているのは「在宅勤務(リモートワーク)」です。在宅勤務はコロナ禍で広く普及するようになりました。
在宅勤務制度を導入すると、育児や介護が必要な人でも働きやすくなります。また、通勤に必要な時間を自分の生活に充てたり、プライベートな空間でリラックスして働いたりすることが可能になります。
その効果として会社に対する満足度が増し、仕事に対するモチベーションや能率が上がることが期待できますが、仕事と私生活の切り替えが困難になるといった欠点も見過ごせません。コロナ禍では在宅勤務をする人のサポートやメンタルヘルスケアといった新たな福利厚生サービスも必要になりました。
フレックスタイム制
フレックスタイム制とは始業・終業時刻が会社から指定されるのではなく、従業員が自分で決めることができ、会社が定める総労働時間数を満たしていれば良いとする制度です。例えば、総労働時間数が週40時間の場合、1週間でこの時間数働けばよく、毎日8時間働く必要はありません。1日の労働時間数が指定されていない点で、時差出勤と異なっています。
なお、会社で働く時間を自由に定めることができるフレックスタイム制でも、出社していなければならない時間帯(コアタイム)が指定されることも珍しくありませんが、これはミーティングやチーム作業などが必要になるためです。フレックスタイム制が導入されると子育てとの両立や通勤ラッシュを避けることが可能になるため、働く人からは支持されています。
時短勤務
時短勤務(または短時間勤務)とは働く人が自分の都合により1日の労働時間を通常より短くすることができる働き方です。例えば、労働者は8時間の通常勤務を6時間に減らすことができます。時短勤務が認められると、子育てや家事、介護などをしながらでも働きやすくなります。
なお、育児・介護休業法によって企業は時短勤務の導入が義務づけられており、3歳未満の子供を持つ労働者が希望するとき、企業は時短勤務(1日6時間)を認めなければなりません。企業の中には時短勤務を独自の福利厚生として取り入れており、対象期間を延長したり、対象となる従業員を広げたりする例も多数存在します。
ノー残業制度
ノー残業制度とは長時間労働を是正するため残業しない日を設ける制度です。「20時以降は残業禁止」のように、日ではなく、時間を指定する企業もありますが、単純に残業を禁止しても仕事量が減らなければ、労働者の負担は軽くなりません。
つまり、労働時間と仕事量のバランスを図り、残業しなくてもすむようにすることが重要です。
食事関連
次に食事に関する福利厚生について説明します。
社員食堂
ほとんどの従業員は出社中に昼食をとります。そのため企業には従業員の昼食に気を配ることが求められ、この要請に応えるため設けられた福利厚生施設が社員食堂です。ファストフードやコンビニ弁当を昼食にすると栄養が偏りやすくなりますが、社員食堂を設け、栄養バランスのとれた食事を割安の価格でとれるようにすると、社員は健康を維持することができます。
また、社員食堂があると、従業員は昼食のために外出する時間をなくし、昼休みを休憩に充てることができます。このような理由から社員食堂は福利厚生の典型例として挙げられることが少なくありません。また、従業員から最も喜ばれている福利厚生の1つになっています。
食事配送サービス
社員食堂に代わる福利厚生としては、会社まで弁当や惣菜を届けてくれる食事配送サービスを挙げることができます。法人向けにこのサービスを提供する業者は多数あり、オフィスに冷蔵庫を設置すると定期的に食事を届けてくれる、オフィス常駐型(常備型)の配送サービスもあります。
冷蔵庫で保存された食事はいつでも食べることができる点で営業時間が限られている社員食堂より優れているといえるでしょう。また、常温保存惣菜を提供している業者もあり、冷蔵庫の有無に関わらず導入できるお手軽なサービスになります。なお、弁当・惣菜の購入費用を補助している企業も珍しくなく、昼食費の補助は社員から喜ばれている福利厚生サービスです。
休暇制度
続いて休暇に関する福利厚生について説明します。
育児休暇
「育児休暇」とは育児を行う従業員が取得できる休暇で、企業が独自に行っている福利厚生サービスの1つです。各企業が独自に設けている制度であるため、その内容は企業間で異なります。なお、「育児休暇」に似た言葉として「育児休業」がありますが、両者は同じではありません。
「育児休業」は育児・介護休業法に基づく国の制度で、原則として1歳までの子供を持つ男女従業員が最長4週間の育休を取ることを認めています。企業が独自に設ける「育児休暇」は「育児休業」と矛盾・対立するものではなく、「育児休業」の補充・強化を目的としています。企業の多くは単に制度を設けるだけではなく、育児休暇の取得を徹底しています。
中には育児休暇の取得を義務づける企業もあるほどです。なお、女性だけではなく、男性の育児を支援する点で、また、男性が制度を利用しやすくすることが課題である点で「育児休暇」と「育児休業」は異なりません。
慶弔休暇
慶弔休暇とは冠婚葬祭に関する特別休暇で、企業が独自に行っている福利厚生サービスの1つです。従業員は自分や家族が結婚したり、家族が死亡したりしたときにこの休暇を取得することができますが、各企業が独自に設けている特別休暇であるため、その内容は企業間で異なっています。
なお、従業員本人が結婚するときは5日、子供が結婚するときは3日と、休暇の日数は内容に応じて変わるのが一般的です。
リフレッシュ休暇
リフレッシュ休暇とは従業員が気分転換(リフレッシュ)やストレス解消をできるようにするため設けられている特別休暇で、企業が独自に行っている福利厚生サービスの1つです。
企業への貢献を労う特別休暇としての性質も持っており、従業員は5年や10年といった勤続年数、または一定の年齢に達したときに取得できます。日数は勤続年数に応じて変わりますが、一般的には3~7日です。
健康・医療
次に健康・医療に関する福利厚生について説明します。
フィットネスジムの割引や補助
健康・医療に関する福利厚生は社員から最も好まれている福利厚生の1つです。特にスポーツクラブ(フィットネスクラブ、ジムなど)会員費・利用料の補助は従業員から喜ばれています。従業員が健康であることは企業にとっても重要であるため、スポーツクラブと法人契約を結び、社員が割引を受けられるようにしている企業も珍しくありません。
なお、コロナ禍では健康に対する意識が強まり、このような福利厚生を望む社員が増えています。また、企業向けにオンライン・レッスンを提供するスポーツクラブも増えており、福利厚生サービスの見直しが必要になっています。
メンタルヘルス対策
健康・医療に関する福利厚生として企業は健康診断を実施していますが、現在、従業員は職場でさまざまなストレスやプレッシャーを受けるようになっているため、メンタルヘルスケア対策に取り組むことも重要です。実際にメンタルの不調に自分で対処できるようにする研修(セルフケア研修)や、部下のメンタルヘルスケアを行う管理職に対し研修を実施する企業が増えています。
なお、メンタルヘルスケア対策の必要性はコロナ禍で大きくなりました。テレワークの導入により出社機会が減り、従業員と直接会って話をすることができない場合は、オンライン・ビデオツールやメールでカウンセリングを受けられるようにするとよいでしょう。そうすればメンタルの不調に早めに気づき対処できるようになります。
職場環境
続いて職場環境に関する福利厚生について説明します。
フリーアドレス制の導入
フリーアドレス制とは社員が固定席(デスク)を持たず、業務内容や状況に応じて自分で座席を選び仕事をする制度です。この制度は営業担当の多い職場や、テレワークを部分的に導入しているため出社する従業員の入れ替わりが多い会社に適しています。この制度を導入すると、社員一人ひとりに専用のデスクを割り当てる必要がなくなるため、オフィスの面積を小さくすることができます。
この省スペース化が制度本来の目的ですが、リフレッシュ効果も見過ごせません。つまり、社員は働く場所を変えることで気分転換し、新鮮な気持ちで業務に取り組めるようになります。フリーアドレス制にはこのような効果もあるため、福利厚生の一部として捉えられています。
リフレッシュスペースの設置
従業員がリフレッシュできる環境作りに積極的に取り組んでいる企業も増えています。社員がオン・オフを切り替えられる場所を「リフレッシュスペース」と呼びますが、仮眠や休憩が取れる部屋であったり、社員間で談話ができる小部屋であったりと、その形態はさまざまです。
このようなスペースを社内に設置すると、仕事にメリハリがつき、社員のパフォーマンス向上が期待できます。また、リラックスすることで従業員は創造力が刺激され、良いアイデアが生まれやすくなることが期待できます。
資格取得支援
資格取得支援とは社員が業務に役立つ資格を取得できるようにするため書籍代や受験料などを企業が支援する制度です。この支援は社員のスキルアップやキャリアアップを目的としていますが、向上心の強い優秀な人材を確保することにも貢献します。
なお、資格試験に合格した社員に「合格報奨金」を支給したり、資格を保有する社員に「資格手当」を支給したりする会社もありますが、これは法律に基づいた制度ではなく、企業が独自に行っている福利厚生サービスです。
副業支援
最後に副業支援について説明します。国が推進する働き方改革では多様な働き方の1つとして副業が奨励されています。それは副業をすることで収入が増え生活に余裕ができれば、本業に対するモチベーションが上がると期待されているからです。また、副業を通し社員はスキルアップすると考えられているためです。
なお、副業を積極的に奨励している企業もあります。例えば、社員が他の部署の仕事を副業として請け負うことや(社内副業)、本業に支障のない範囲であればアルバイトやフリーランスといった形態で他の会社で働くこと(兼業)を認める会社が存在します。
働き方改革を推進する!福利厚生を導入する流れ
前段落で説明したように働き方改革の実現に貢献する福利厚生制度にはさまざまなものがあります。この段落ではそれを実際に取り入れる手順について説明します。
社内の状況やニーズを把握する
まず、社内の労働環境について調査することが重要です。また、すでに行っている福利厚生サービスあれば、その内容や効果について検証すると今後の課題が分かるようになります。社内のニーズを調べる際には、社員に対してアンケートやヒアリングを行い、社員はどのような福利厚生を望んでいるか調べることも大切です。
なお、働き方改革を実現するために取り組むべき課題は多岐にわたっており、さまざまな措置が必要とされています。そのため、社内で取り組むべき課題も多いことが想定されます。その場合には集中して取り組むべき課題を選んだり、優先順位をつけたりすることが重要です。
方針を決める
社内の状況、課題やニーズが的確に把握できるようになったら、次に福利厚生の方針を決定します。また、新たに導入する福利厚生の目的や目標を明確にすることが大切です。これらがはっきり定まっていないと、社内での意思決定はスムーズにいかなくなるため注意してください。目的や目標が決まったら、それらに照らし新たに導入する福利厚生サービスの内容について検討します。
その際には新しいサービスが社内の規則(就業規則や業務規定など)に合致しているか確認することが重要です。そして必要に応じ、サービスの内容を変更するか、社内規則を修正します。「働き方改革関連法」やその他の法律に合致しているかチェックすることも忘れないでください。特に、労働時間、残業、休暇、育児・介護休暇などが法律上の要件を満たしているか調べることが重要です。
目的や利用方法を従業員に周知する
新しい福利厚生サービスの内容が決まったら、それを従業員に知らせ、サービスの利用を促します。その際には、会社が働き方改革を推進する理由、福利厚生サービスを新たに導入する目的やそれによって得られるメリットなどをあわせて告知すると従業員は会社の方針を理解しやすくなります。
周知する方法としては社内報、社内の掲示板、社内SNSなどが考えられますが、告知が不十分だと、新しいサービスを導入する意義が失われますので注意してください。なお、すべての福利厚生サービスが社員によって活用されるとは限りません。その理由はさまざまですが、利用方法を分かりやすく説明するとともに、利用を促すことが大切です。
5-4.定期的に見直して改善を図る
福利厚生サービスを導入した後は、目的や目標が達成できているか定期的に検証することが重要です。コロナ禍で見直しが必要になったように福利厚生の課題やニーズは変わることがあります。
すでに利用率が低い福利厚生サービスがあるときは、その原因を確かめ、改善することが大切です。時流やライフスタイルの変化に対応できるようにするため福利厚生は定期的に検証するようにしてください。
福利厚生を充実させるなら便利なサービスを利用しよう!
ところで、働き方改革の実現を目指して社内の福利厚生を充実させるとき、すべてを会社で行うとすれば、非効率的で、うまくいかないことがあります。費用が高額になることも少なくありません。
そのような場合は福利厚生サービスを提供している会社に相談したり、福利厚生の代行を委託したりすると良いでしょう。この段落では福利厚生代行サービスについて説明します。
福利厚生代行サービスとは
「福利厚生代行サービス」とは外部の会社がある企業のために福利厚生業務を引き受けることです。また、それを引き受けた業者が提供するサービスを「福利厚生代行サービス」と呼ぶことがあります。人事・総務部門などが福利厚生業務を行う会社もありますが、経営の効率化やスリム化を図るため多くの企業は福利厚生業務を縮小するようになりました。そのような企業のために生まれたのが福利厚生代行サービスです。
福利厚生代行サービスはさまざまな点で優れています。特に、このサービスを専門に扱っている会社(福利厚生代行会社)はノウハウを蓄積しているため、依頼するとスピーディーに福利厚生を導入できるといったメリットがあります。自社で導入するよりも費用を安く抑えることも可能です。また、代行業者はさまざまなサービスを提供しているため、社員が満足する福利厚生の実現や福利厚生の幅を広げることが容易になるといった長所も見過ごせません。
福利厚生に対する社員の満足度が高まれば、パフォーマンスが向上するだけではなく、会社の評判が良くなり、優秀な人材が確保しやすくなります。さらに、代行業者には日々の福利厚生業務を委託することもできるため、福利厚生をより手厚くしたり、運営面で社内の負担を軽減したりすることが可能です。
心幸グループの福利厚生サービスについて
「心幸グループ」は多種多様な福利厚生サービスを提供し、企業の福利厚生業務を幅広く支援することで良い評価を得ています。心幸グループがさまざまなサービスを提供できるのは、グループ内各社が連携しワンストップでサポートしているからです。また、従業員が健康になると企業の業績は向上するという「健康経営」の理念に照らし、社員が健康になる福利厚生について幅広く検討しているからです。
心幸グループは下記の福利厚生サービスを提供しています。
・企業内売店・コンビニの設置・運営
・企業内食堂の設置・運営
・置き社食コンビニ「オフめし」の設置・運営
・キッチンカー業者派遣「ごちショウ」の提供
・「健康経営優良法人」取得サポート
・からだ(体測定・体成分)測定会、健康セミナー、栄養講習会の実施
・企業内トレーニングジムの管理・運営、トレーニング指導
・スポーツ用品や健康器具の販売
心幸グループは福利厚生業務のトータル・サポーターです。つまり、ある企業から相談されると現状や課題を分析し、その企業に最適なプランを提案します。そして、企業が望む福利厚生を実現すると事後評価から改善までトータルで支援します。
そのため自社で行うよりもはるかに効率的に福利厚生を拡充し、働き方改革を実現することができます。「健康経営」を実現したいものの何をしたらよいか分からないようなときや、すでに設置してある福利厚生施設の有効活用について検討しているときは、お気軽に心幸グループにご相談ください。
充実した福利厚生で働き方改革を推進しよう!
この記事で説明したように、福利厚生を充実させると働き方改革に関する課題が達成できるようになります。特に福利厚生の一環として働きやすい環境を整え、従業員の健康増進をサポートすることが働き方改革には必要です。
福利厚生業務を代行する会社もあるため、その力を借りながら拡充し、働き方改革に取り組みましょう。そうすると社員の満足度だけではなく企業価値を高めることができます。