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健康経営優良法人とは?2021年の認定基準や申請方法・認定のメリット

健康経営優良法人とは?2021年の認定基準や申請方法・認定のメリット

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公開日|2021年3月25日
所長|いくた
この記事の概要

健康経営優良法人認定制度とは、健康経営に取り組む優良な大企業・中小企業などを表彰するもので、経済産業省が主体で運営する公的な認定制度です。

健康経営優良法人に認定されれば、対外的に健康経営に取り組んでいる証となり、事業活動にもさまざまな良い影響をもたらします。

今回は、健康経営優良法人認定制度の概要・大企業向けのホワイト500および、中小企業向けのブライト500について解説していきます。各認定制度の評価項目や、申請の流れを理解するとともに、健康経営への取り組みは企業経営にどのようなメリットがあるのか理解していきましょう。

目次

健康経営優良法人とは

健康経営優良法人とは、先にご紹介した健康経営優良法人認定制度の評価基準を満たし、認定された企業に与えられる称号です。

健康経営に注目する企業は年々増加しており、2020年には大規模法人部門 1,481法人、中小規模法人部門4,723法人が認定されています。

そもそも健康経営とは、以下の意味を持ちます。

「健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」

引用:経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課「健康宣言事業」の実施に向けたご協力のお願い

企業で働く人々の健康管理を、従業員に任せきりにするのではなく、従業員の健康管理に企業が主体的に取り組むことが事業拡大につながるという考えがポイントとなります。優秀な従業員が心身ともに健康な状態であれば、パフォーマンスも上がり、事業活動に貢献が期待できます。また、従業員の健康に企業が投資していくことで、離職防止・従業員満足度の向上の効果もあるでしょう。

健康経営に取り組んだ企業の中で、とくに優れている企業に送られるのが健康経営優良法人認定のため、この認定を受けている企業は社会的信頼度も増大します。健康経営優良法人のロゴマークを使用すれば、ひと目で認定の証明となりますし、関係企業や金融機関などからの評価もあがりやすくなるでしょう。

大規模法人と中小規模法人の従業員数

健康経営優良法人の認定は、大企業法人と中小企業法人にわかれて審査されます。それぞれの規模要件は以下の通りです。

区分表

大企業と中小企業をわける際には、「卸売業・小売業・サービス業・製造業その他」の4つの業種別に、それぞれ従業員数の要件があります。中小企業の部門では、従業員数の要件に加えて資本金または出資金額の要件もあるので確認してください。

上記以外の法人は、下記図のように細かく要件が決められています。こちらもあわせて参考にしてください。

区分表
区分表

なお、基本的には総務省の日本標準産業分類を適用し、分類していきます。

参考:日本標準産業分類

大規模法人向けの「ホワイト500」認定

健康経営優良法人認定の中に、「ホワイト500」という大規模法人向けの認定制度があります。

もともとは、大規模法人向けの認定そのものをホワイト500と呼んでいました。しかし昨今、健康経営への認知が高まりホワイト500認定とされる企業が500社を超えたため、上位500社のみがホワイト500と呼ばれるよう言葉の定義が変更になりました。

最新版ホワイト500の企業一覧はこちらからご確認いただけます。

参考:健康経営優良法人2020(大規模法人部門(ホワイト500))認定法人一覧

中小規模法人向けの「ブライト500」認定

ピラミッド表

大規模法人に続けて、中小規模法人への健康経営の普及を進めていくために設けられたのが「ブライト500」認定です。大規模法人向けのホワイト500と同様に、同規模法人内でとくに健康経営への取り組みが優秀な上位500の中小企業へ認定される冠です。

健康経営の選択項目15項目中12項目以上に適合していること、および健康経営への取り組みを地域へどれだけ発信しているかなどが評価基準となります。

健康経営銘柄との違い

健康経営優良法人についての質問で、「健康経営銘柄との違いはなんですか?」という質問がよくあげられています。

健康経営銘柄とは、経済産業省と東京証券取引所が選定する顕彰制度で、東京証券取引所の上場企業内から1業種1社のみ選ばれるものです。 実は、この健康経営銘柄は健康経営優良法人よりも先にできたもので、2014年から開始されています。上場企業の1業種1社に限定せず、未上場企業・医療法人・中小企業などに対象者を広げていく目的で、2016年に誕生したのが健康経営優良法人認定制度なのです。

健康経営が注目された背景

そもそもなぜ、健康経営が昨今のように注目されるようになったのでしょうか。

端的に背景を説明すると、日本の少子高齢化にともない医療費が右肩上がりに推移し続けています。医療費削減のためには民間企業の協力が必要不可欠となったため、民間企業が参加しやすい認定制度を活用しながら従業員の健康維持を促進するようになったのです。

健康経営優良法人への注目度も右肩上がり

2016年に開始した健康経営優良法人認定制度への注目度は、近年ずっと右肩上がりとなっています。

〇健康経営アワード2017

「健康経営優良法人2018」として、大規模法人部門に235法人、中小規模法人部門に95法人が認定

〇健康経営アワード2018

「健康経営優良法人2018」として、大規模法人部門に539法人、中小規模法人部門に775法人が認定

〇健康経営アワード2019

「健康経営優良法人2019」として、大規模法人部門に813法人、中小規模法人部門に2501法人が認定

〇健康経営アワード2020

「健康経営優良法人2020」として、大規模法人部門に1481法人(うち500法人を「ホワイト500」とする)、中小規模法人部門に4723法人が認定

健康経営アワード2017から2020にかけて、大規模法人部門の認定数は6.3倍に、中小規模法人部門はなんと49倍以上の認定数となりました。

この盛り上がりに伴い、企業による従業員への健康増進に関わる取り組みに対して、独自のインセンティブを付与する自治体や金融機関も増え、まさに健康経営ブームが到来しているといえるでしょう。

健康経営優良法人を取得するメリット

健康経営優良法人の認定を取得するメリットについて、ポイントをまとめていきます。

健康経営優良法人の認定を受ければ、従業員の健康に気配りをしている「ホワイト企業」というイメージを醸成することができます。優良法人の名のもとに、優良で信頼性のある企業として企業ブランディングにも効果的であり、採用や事業活動にプラスの影響を与えやすいのがメリットです。

また、一口に健康といっても、体と心それぞれの健康へアプローチする必要があります。

体へのアプローチ
  • 過度な残業防止、業務間インターバルの導入、有休消化推奨など=働き方改革に通ずる施策の検討
  • 在宅ワークが続く従業員へ運動促進をする施策
  • 定期的な健康診断
心へのアプローチ
  • パワハラやモラハラなど、各種ハラスメント防止
  • 産業医面談の推進
  • 育児や介護、プライベートと仕事を両立させて心の状態を良好に保つためのアプローチ
  • 社内コミュニケーションの活性化、1on1の実施など従業員同士の信頼関係構築と心理的安全性の醸成など

健康経営の施策は多岐にわたりますが、バランスよくさまざまなアプローチをおこなうことで、従業員の長期定着、パフォーマンス向上などのメリットも期待できるでしょう。

健康経営に実際に取り組み、成果を上げている企業事例もあわせて参考にしてみてください。

参考事例:“よこしまスタート”で発足。「健康経営素人」が30超の施策を実施してわかったこと

健康経営優良法人2021認定基準とは

健康経営優良法人の認定要件は、大規模法人と中小規模企業法人で異なります。それぞれの要件と、申請ステップを確認しましょう。

健康経営優良法人2021・中小規模法人部門の評価項目

健康経営優良法人2021の、中小規模法人部門の評価項目は以下のとおりです。

認定要件

流れとしては、まず経営理念に健康経営への取り組みを盛り込み、健康宣言をおこないます。次に、健康経営の社内担当者を置き、40歳以上の従業員の健康診断データをそろえるなど組織体制を整備しましょう。

続いて、具体的な健康経営施策を、「従業員の健康課題の 把握と必要な 対策の検討・健康経営の実践に 向けた基礎的な 土台づくりと ワークエンゲイジメント・従業員の心と身体の 健康づくりに向けた 具体的対策」の3軸にもとづいて進めます。3軸の各項目で決められた基準数を満たすことが認定される重要ポイントになります。

そのほかにも、定期健康診断やストレスチェックなど、法令で決められたリスクマネジメントも含めて実施確認されるため、本認定制度は非常に厳格な運用となっていることがわかります。

健康経営銘柄2021選定基準と健康経営優良法人2021・大規模法人部門の評価項目

続いて、健康経営銘柄2021と健康経営優良法人2021の大規模法人部門の評価項目をみてみましょう。

認定要件

評価項目は中小規模法人と同様ですが、大規模法人部門ではほとんどの認定要件が「必須」となっている点が特徴です。

3番の「制度・施策実行」は、中小規模法人が6項目以上必須となっているのに対し、大規模法人部門では倍の12項目以上を満たすことが求められます。

健康経営優良法人の申請の流れ

申請スケジュールについて、健康経営優良法人2021を例にとって確認していきましょう。

まず、健康経営銘柄と、健康経営優良法人の大規模法人部門および中小規模法人それぞれの申請フローは以下の図のとおりです。

認定フロー

健康経営優良法人の大規模法人部門(ホワイト500含む)の場合

まずはじめに、健康経営度調査に回答します。

参考:健康経営度調査専用ページ

健康経営度調査に回答したあと送られてくる「健康経営度調査フィードバックシート」を確認し、「申請書及び誓約書等」を健康経営優良法人認定事務局へ提出します。

なお、健康宣言をする際に加入先の保険者とやり取りが発生するので、保険者によって申請方法が異なります。

その後、健康経営優良法人認定委員会による審査がおこなわれ、日本健康会議によって認定を受けます。

健康経営優良法人の中小規模法人部門(ブライト500含む)の場合

大規模法人部門とは異なり、健康経営度調査はおこなわれません。

まずはじめに、協会けんぽなど保険者が取り組む健康宣言事業に参加が必要です。

その後、健康経営優良法人認定申請書を手順にそって作成し、提出します。健康経営優良法人認定委員会による審査がおこなわれ、日本健康会議によって認定を受ける流れは大規模法人部門と同様です。

なお、次年度の申請方法などは、経済産業省のホームページにて発表がある見込みですので確認してください。

新型コロナウイルスの影響

令和2年度は、新型コロナウイルス感染防止の観点から、毎年おこなっていた健康経営アワードの開催がありませんでした。コロナ禍で、予定していた健康経営施策を進められなかった企業のために救済措置が用意されています。

各社がコロナ対策として実施したものは「従業員の感染症予防に向けた取り組み」として評価がされる見込みです。詳細は、経済産業省のホームページをご確認ください。

参考:経済産業省 健康経営優良法人の申請について

まとめ

健康経営優良法人とは、企業主体となって健康経営に真剣に取り組み、健康経営優良法人認定の評価項目を満たした企業に与えられる認定です。一人ひとりが自主的に健康維持に向き合うのではなく、国・地域・保険者・民間企業が一丸となって健康に取り組むことで、さまざまな相乗効果が生まれます。

健康経営優良法人認定の認定企業数は急増しており、健康経営テーマの産業も盛り上がっていくと期待できるでしょう。

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