働きやすい職場の特徴とは?職場環境改善のステップと取り組み事例
今回は、多くの企業から注目されている「健康経営」をキーワードに上げながら、働きやすい職場の特徴や、働きやすい職場づくりの秘訣について解説します。
長時間労働、心理的安全性の欠如、ハラスメントが横行しているなど、働きづらい職場の要因はさまざまです。このような要素のある環境に居続けると、従業員のストレスが溜まるだけでなく、企業経営に大きな損失をもたらします。
働きやすい環境づくりに取り組まないとどんなデメリットがあるのか、他社はどのような施策に取り組んでいるのか?といった事例などをまとめながら、健康経営に取り組む重要性や、働きやすい職場づくりのステップをご紹介します。
目次
働きやすい職場環境の特徴は?
まずはじめに、働きやすい職場の特徴についてご紹介します。
- 従業員満足度(ES)を定期的に確認している
- 組織活性化への取組を行い、良好な人間関係を構築している
- ウェルビーイングを大切にしている
- 若手育成に力を入れている
- ハラスメント対策を実施している
- 勤怠管理、有休消化の義務化への対応、業務間インターバルなどを徹底している(働き方改革など国の施策にきっちり対応している)
- コロナ禍の状況を見極め、適宜テレワーク導入やネット環境の充実に取り組んでいる
- 福利厚生に力を入れている
など
とくに最近では、経済産業省による健康経営優良法人の認定を目指しながら、本格的に健康経営に取り組む企業が急増しています。
働きやすい職場づくりができないとどうなるのか?
一方、働きやすい職場づくりを意識せず、野放し状態で経営を続けると企業はどうなってしまうでしょうか?
先の章でご紹介した、働きやすい職場環境の特徴がすべて達成されていない職場をイメージしてみると理解しやすいかもしれません。
- 従業員満足度(ES)を気にせず、トップダウンで物事を決める
- 組織活性化への取組をせず、社内コミュニケーションも生まれない
- ウェルビーイングを重要視しないため、過度な残業や休日出勤が行われている
- 若手育成に力を入れず、人材育成ができない。一部の人材にスキルが偏っている
- ハラスメント対策をしないため、パワハラ・モラハラ・カスハラが横行し離職者やメンタル不調者が多い
- 勤怠管理、有休消化の義務化への対応、業務間インターバルなどに無関心(働き方改革法案を無視して、労働局から注意を受けている)
- コロナ禍でも判断スピードが遅く、テレワークは許可しない、ネット環境は社員任せになっている
- 福利厚生はとくにない
など
いかがでしょうか?働きやすい職場の特徴をすべて裏返しにしてみると、いかに働きやすい職場づくりが重要なことか理解できるのではないでしょうか。
働きやすい職場づくりに欠かせない「健康経営」とは?
健康経営とは、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること、と定義づけられています。
企業理念にもとづいて従業員への健康投資を行うことは、従業員と組織活性化につながり、最終的には業績アップや株価の上昇、社会からの信頼性向上につながると期待されています。
「健康経営優良法人」認定制度を活用して健康経営に取り組もう
働きやすい職場づくりのために、無計画にあれこれ施策を実施していくよりは、健康経営優良法人の認定制度にもとづいて進めていくほうが効率的といえるでしょう。
健康経営の必要性を理解し、経営者の指導のもと健康経営に企業一丸となって取り組むことで、働きやすい職場づくりにつながっていきます。
健康経営優良法人の認定企業は年々増加しており、「健康経営優良法人2023」では、大規模法人部門に2,676法人(上位法人には「ホワイト500」の冠を付加)、中小規模法人部門に14,012法人(上位法人には「ブライト500」の冠を付加)が認定が認定されました。これだけ多くの企業が、共通の評価項目のもと健康経営に取り組んでいるのです。
健康経営優良法人の中でも、とくに優れた取り組みをしていた「ホワイト500」と呼ばれる企業の取り組み事例は、インターネットでも多数公開されています。働きやすい職場づくりにはじめてチャレンジする企業は、ぜひ参考にしてみてください。
働きやすい環境づくりをおこなうステップを紹介
ここからは具体的に、働きやすい職場づくりを行うための具体例な流れをご紹介します。
ステップ1:360度サーベイやアンケートを実施して、企業の健康状態を把握する
双方に評価を行って組織の健康状態をチェックすることが、働きやすい職場づくりのファーストステップです。
360度サーベイとは多面評価とも呼ばれる評価制度の一種で、上司や同僚、部下などさまざま人から評価してもらう手法です。上から下へと一方通行の評価をするのではなく、多面的かつ客観的に、個々の従業員の特性を理解することができます。
次に、人事評価の実施とあわせて、従業員満足度調査を実施します。人事評価は企業から従業員に向けて行うものですが、従業員満足度調査は従業員から企業への通信簿となります。
これらのデータを集めて、自社の人材はどのような強み・弱みがあるのか、従業員からあがった企業への意見の中で、なにが課題なのかを分析し見極めます。
ステップ2:課題を整理して、何から取り組むか優先順位をつける
次に、人事評価や従業員アンケート結果の数値を見ながら、気になる課題を抽出していきます。1回目の評価結果やアンケート結果では、課題が多すぎて何から取り組めばいいか悩む場合もあるでしょう。
たとえば、健康経営優良法人の認定要件に照らし合わせながら、自社に不足している点をピックアップして優先順位をつけていく方法もあります。
ステップ3:健康経営担当を置き、施策を複数取り入れていく
自社の課題、取り組むべき順番を決めたら、働きやすい職場づくりを推進するための責任者を置きましょう。健康経営優良法人の認定要件にも「健康づくり担当者」の設置が必須となっています。
社長や人事が健康経営担当を務めても問題ありませんが、業務負荷のバランスを考えて専任を置くようにしてください。必ずしも人事や労務、総務の従業員が担当する必要性もなく、あえて若手社員を任命するのもおすすめです。
ステップ4:定期的にサーベイやアンケートを実施して、数値を図り、KPIを決めながら効果測定をしていく
健康経営担当を中心に、施策を進めていく段階に入ったら、必ず定期的に360度サーベイやアンケートをくり返すことを意識してください。
効果測定は、継続してデータ蓄積することが重要です。
働きやすい職場づくりの施策をおこなうときの注意点
働きやすい職場づくりの施策を進める際の注意点を3つご紹介します。
①効果が完璧に見えない
働きやすい職場づくりに取り組んだ成果は、はっきりと可視化されづらいため注意しましょう。従業員が健康かどうかは、「病気にかっかっているかどうか」という軸で判断できないためです。とくに心の健康状態は数値で表しづらいため、無理に数値でKPI目標を立てると空回りしてしまう可能性もあるでしょう。
②取組が多すぎて社員の負担が増えるかも
働きやすい職場づくりをするためには、従業員の勤怠管理、健康管理、メンタルケアや社内コミュニケーションの活性化など、幅広い視点で施策を進めなくてはなりません。
健康のためにはじめたものの、取り組みが多すぎて従業員が疲弊してしまわないよう注意が必要です。
③KPIの設計やデータ収集~分析が困難
最初におこなうサーベイでは、そもそも従業員が働きやすい職場づくりに興味を持っていないため、回答がなかなか集まらない可能性があります。データが集まらなければ課題分析もできないため、中長期視点で根気よく取り組むことが大切といえます。
働きやすい職場づくりの事例
最後に、働きやすい職場づくりを実践している企業の取り組み事例を3つご紹介します。
からだ測定会の実施・からだに注目した事例
心幸グループが提供する、健康経営サポート「オフけん(オフィスに健康を)」による「からだ測定会」の実施です。体力測定や体成分測定を通して、自身のからだの状態がまるっと分かります。従業員の健康意識が向上し、組織力の向上にも役立ちます。
自動車部品メーカー様では、3日間かけてからだ成分の測定や、ウォーキング教室を実施しました。自社で従業員のからだ成分の測定は難しいですし、ウォーキングやスポーツなどの施策をする際はプロのインストラクターをアサインする手間がかかります。
そこで、外部のサービスをうまく取り入れながら、人事コストを削減しているのがポイントです。
魚を食べて健康づくり・食にフォーカスした事例
日本水産株式会社様の「食」に関する取り組み事例です。
日本水産株式会社様は、水産会社ならではの取り組みとして、魚を食べて健康づくりにつなげる「おさかな食の推進キャンペーン」を実施しました。
からだの健康を考える際には、運動・食事・睡眠はとても重要な要素です。事業内容とうまく関連性を持たせながら主要な施策を行い、その他にもノー残業デーや社長禁煙なども同時に取り組んでいるのもポイントです。
生活習慣病対策・がん対策・メンタルヘルス対策など幅広いテーマへ取り組んだ事例
株式会社ワコールホールディングス様は、働きやすい職場づくりに数年前から取り組んでおり、健康経営銘柄に何度もノミネートしています。同社では、からだの健康のためにオリジナル体操の考案をはじめ、社内での健康食品販売や、就業時間内の禁煙など複数の生活習慣病対策を実施しています。
健康食品をただ販売するだけでなく、できるだけ安価で従業員が買いやすいよう設計したり、社内食堂にオリジナルのヘルシーメニューを取り入れるなど工夫をされています。
健康食品をただ販売するだけでなく、できるだけ安価で従業員が買いやすいよう設計したり、社内食堂にオリジナルのヘルシーメニューを取り入れるなど工夫をされています。
まとめ
働きやすい職場づくりは、事業の発展に欠かせない重要なテーマです。まずは、自社が働きやすい職場かどうかを測定するために、人事評価や従業員満足度調査などを取り入れながら、企業の健康診断をしてみてはいかがでしょうか?
働きやすい職場づくり=健康経営ととらえれば、評価項目を基準として、企業の取り組むべき目標が明確になるのでおすすめです。健康経営銘柄や健康経営優良法人の認定企業の取り組み事例を参考にしながら、少しずつ施策を進めていきましょう。
元気な会社は社員が元気!健康経営サポート
オフけん(運営:心幸ウェルネス)では、「健康経営優良法人」認定取得サポートを中心に、企業の健康経営をバックアップしています。形だけの健康経営ではなく、従業員の健康と幸福に真剣に向き合う取り組みを提案。真の健康経営を実現しています。「からだ測定会」では、体成分測定・体力測定により従業員一人ひとりのからだ年齢が明らかに!他にも、健康セミナー、禁煙サポートなどのサービスを通して、従業員の健康意識を向上させ、元気な会社づくりに貢献します。
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