福利厚生にはどんな種類がある?選び方や導入方法まで徹底解説!
働き方改革によるワークライフバランスの推進や従業員満足度向上を目指し、福利厚生を重視する企業が増えています。とはいえ、どのような福利厚生を導入すべきかよく分からない経営者や担当者も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では福利厚生の基本的な定義や種類、導入することで得られるメリットなどについて詳しく解説します。
目次
大きく分けると福利厚生は2種類ある!
福利厚生の種類は大きく分けて2つあります。ここでは、それぞれについて紹介します。
法定福利厚生
福利厚生のひとつである「法定福利厚生」とは、企業が従業員に対して提供しなければならないと法律で決められている福利厚生です。
法によって義務化されているため、もし適用条件に当てはまっている従業員に対して提供していなければ、法律違反となってしまいます。
法定外福利厚生
法定外福利厚生は、企業が独自に定めている福利厚生を指します。こちらは法律で決められていないため、どのようなものなのかは各企業によって異なるのが特徴です。
そのため、自社の企業理念と関連づけたユニークな福利厚生を提供するなどしてオリジナリティを出すことが可能です。他社にはない福利厚生を提供することで有名になる企業もあります。
金銭的な内容だけではなく、従業員が働きやすくする工夫なども法定外福利厚生です。
法律で定められている法定福利厚生の種類
法定福利厚生は社会保険や労働保険、子ども・子育て拠出金に分けられます。
社会保険
まずは社会保険について見てみましょう。
健康保険
健康保険は従業員と企業が半分ずつ保険料を支払うものです。従業員が病気・怪我などをした際に、治療にかかる医療費の一部を負担してもらえます。従業員が治療を受ける際に金銭的な負担をサポートする公的な医療保険です。
運営しているのは協会けんぽ、あるいは各健康保険組合となっています。医療費のサポート以外にも、健康診断、病気・怪我によって休職する際に受給できる給付金制度も利用可能です。
介護保険
介護保険は介護が必要な人を相互扶助する保険制度で、40~64歳までの従業員が加入しなければならない保険です。65歳以上で介護認定を受けた人が安心して必要な介護サービスを受けられるように、費用の一部を国が負担するための保険となっています。
こちらの保険は比較的新しい種類の福利厚生で、2000年に新たに義務付けられました。保険料は対象となっている従業員と企業で半分ずつ負担します。65歳以上で介護が必要な人のサポートが主な目的の保険なので、加入している従業員が受けられるサポートは少ないです。
たとえば、末期がん、関節リウマチなどで治療が必要な際に医療費の一部をサポートしてもらえます。
厚生年金保険
厚生年金保険は国民年金保険に上乗せして支払う年金保険で、65歳から受給して老後生活の支えにできます。厚生年金保険が適用されている企業で働く70歳未満の従業員は、原則として全員加入しなければなりません。
保険料は従業員と企業が半分ずつ支払いますが、保険料は年齢や年収などによって個人差があります。
労働保険
労働保険は雇用保険と労災保険の2種類があります。
雇用保険
雇用保険は従業員の生活や雇用の安定のために加入する制度で、保険料の3分の2は企業、3分の1を従業員が支払います。雇用保険は失業時や子育て中など、条件をクリアしていれば失業手当、育児休業給付金といった金銭的サポートを受けることが可能です。
雇用保険に加入しなければならないのは正社員に限らず、労働時間や雇用期間など決められた条件を満たしているパートやアルバイトも対象となっています。雇用保険は、一般的に失業保険と呼ばれているものです。
労災保険
労災保険は仕事中に病気・ケガをした場合に受け取れる保険で、雇用保険と合わせて労働保険と呼ばれることもあります。保険料は企業側が全額負担をするものなので、従業員側は支払う必要がありません。
健康保険と異なる点は、対象になっているのが勤務時間・通勤途中で病気・ケガをした場合に限定されていることです。
子ども・子育て拠出金
子ども・子育て拠出金は、かつて児童手当拠出金と呼ばれていたものです。子育て、育児の支援をする制度で、厚生年金保険に加入している企業が保険料を全額負担してくれるので、従業員が支払う必要はありません。
これによって集められたお金は児童手当の支給、仕事と子育ての両立支援事業、地域の子育て支援事業などに充てられています。福利厚生費調査結果報告2019年度によると、1カ月あたりの子ども・子育て拠出金の金額は約1671円です。
法定外福利厚生の種類はさまざま!
法定外福利厚生の種類は多く、企業によってさまざまなものがあります。こちらでは、具体的にどのようなものがあるのか紹介します。
通勤・住宅
通勤・住宅手当は、従業員の通勤や住宅にかかる費用をサポートするための福利厚生です。一定金額までは会社の福利厚生費に認定されるため、非課税です。日本経済団体連合会が発表した福利厚生費調査結果報告2019年度(2019年4月~2020年3月)によると、1カ月間の従業員1人あたりの通勤費(通勤手当)は約8669円でした。
住宅関連のサポートは家賃補助、借り上げ社宅、持ち家補助などが挙げられます。住宅補助手当は給与の一部になるため、課税対象です。借り上げ社宅は企業が賃貸住宅を契約し、従業員に貸し出す部屋を指します。
持ち家補助は、従業員の持ち家のサポート(住宅ローンの補助)や引越し手当などです。前述の日経連の報告によると、住宅関連の福利厚生費は住宅手当約1万1169円、持ち家援助470円の合計1万1639円でした。
家賃補助は、従業員が個人的に契約している賃貸住宅の家賃の一部をサポートします。
健康・医療
健康・医療面は、従業員のヘルスケアサポートを目的とした福利厚生です。政府が行っている健康経営の推進に伴い、注目を集めています。具体的には、社内医務室や診療所の運営、健康診断の実施、人間ドックの補助などです。
健康診断の実施は多くの企業で取り入れています。人間ドックの補助は従業員が人間ドックを受ける際に、費用の一部もしくは全額を補助するものです。そのほかには、インフルエンザ予防接種やフィットネスジムの費用の補助も挙げられるでしょう。
なかには、運動インセンティブの付与を行っている企業もあります。これは、従業員が運動するとポイントが付与され、ポイントを貯めることで商品に交換できるものです。日経連の発表によると、1カ月あたりのヘルスケアサポートは約1165円でした。
慶弔・災害
慶弔・災害は従業員やその家族がケガ・病気、障害になった場合、死亡した場合、結婚した場合などに手当として出すものです。たとえば、結婚祝い、出産祝い、入学祝いを従業員やその家族に対して出したり、従業員自身の就任・昇進祝いとして出したりします。
慶弔・災害は需要が高く、自社に導入している企業も多いです。毎月支払うといったものではありませんが、1回あたりの金額が数千円~数万円と大きくなりがちなのでその点は注意しなければなりません。
特に結婚祝いや出産祝い金は万単位で、結婚祝いは2~3万円が一般的ですし、出産祝い金も1~2万円です。海外の大規模企業では、従業員が死亡した場合に、家族に対して死亡手当を支給しています。
急に家庭内の収入がなくなってしまうため、10年間、亡き従業員が生前受け取っていた給与の50%相当を受け取ることが可能です。加えて、取得済みの株式利益、子ども1人に対して19歳になるまで毎月約10万円が支給される例もあります。
育児・介護
育児・介護の福利厚生は、従業員の育児や介護などにかかる費用をサポートしたり、負担を軽減したりするためのものです。産休・育休支援の拡充や育児・介護休暇の有償化、社内託児所の設置といったものが挙げられます。
また、育児・介護休業法によって事業主は短時間勤務制度を導入しなければなりません。これによって、従業員は子どもが3歳(期間の延長も可能)になるまで短時間勤務制度が利用できます。企業のなかには独自の時短勤務制度を設ける会社もあります。
ほかにも、臨時でベビーシッターを利用する場合の費用補助や従業員が妊活を行う際にかかる費用の支援などを行っている企業もあります。
たとえば、妊活をしている場合、保険適用されるものは実質本人に負担はかかりません。保険適用外であっても、費用の7割が自治体の助成金と企業の支援で賄われるため、本人負担は保険適用時と同じ3割で済みます。
自己啓発
自己啓発に関する福利厚生は、従業員が自発的に自身の成長・スキルアップを目指して行うことを支援するものです。仕事に役立つ書籍の購入費のほか、セミナーに参加する費用の補助、通信教育で学ぶための費用補助、資格取得にかかる費用の援助金の支給などがあります。
たとえば、自社がeラーニングと提携し、従業員がそのなかから興味があるものを学べるようにしている企業も。自己啓発のための費用を企業に支援してもらえれば、従業員が積極的にスキルアップを目指せる環境を作ることが可能です。
企業側としても優秀な人材の確保ができるうえ、従業員のスキルだけではなく、モチベーションも高まります。それによって、会社全体のパフォーマンスの向上が期待できるでしょう。
休暇
有給休暇にも、その企業独自で取り入れている休暇制度もあります。たとえば、夏季・冬季休暇や特別有給休暇制度などです。こういった福利厚生は、従業員がしっかり心身を休ませてワークライフバランスを向上させることにつながります。
また、従業員やその家族の誕生日、結婚記念日などに取得できるアニバーサリー休暇、勤続5年で1週間など、入社してからの節目で取得できるリフレッシュ休暇も挙げられます。
どちらも取得するための条件や日数について法的な決まりはありません。そのため、その企業が独自で決められます。
文化・体育・レクリエーション
文化・体育・レクリエーションなど従業員同士のコミュニケーションを活性化させたり、リフレッシュさせたりするものも福利厚生のひとつです。
具体的には、飲食店・宿泊施設の割引補助、社内の部活動費や懇親会費の補助が挙げられます。ほかには、社内運動会、社員旅行といったイベントを開催してコミュニケーションを図る企業も多いです。従業員同士の親睦が高まることで信頼関係も生まれ、業務の効率化や向上につながる可能性があります。
財産形成
財産形成は、給与から一定額を天引きして財産形成のために貯蓄する制度です。目的は主に3つあります。住宅購入費の貯蓄をする「財形住宅貯蓄」、年金を貯める「財形年金貯蓄」、そのほかの「一般財形貯蓄」です。
自分で貯金をするのが苦手な人にとっては、自動的に貯蓄ができるので良い方法といえるでしょう。企業によっては、社内預金制度・社内貸付制度を設けているところもあります。また、金融関係で悩んだときに相談できたり、社内で金融関連のセミナーの実施をしたりすることも可能です。
通常、こういった貯蓄をするために金融機関で貯金をすると利息分に20%の課税があります。しかし、財形貯蓄制度であれば、元利550万円までは税金がかかりません。同じ貯蓄するのであれば節税できるという意味で財形貯蓄を利用するのがお得といえるでしょう。
職場環境
従業員が働きやすい職場環境を作ることも福利厚生のひとつです。オフィス内にマッサージスペース、個室などを設けることで従業員がリラックスして過ごせるようにしている例があります。
また、テレワークの導入は従業員が通勤の費用や時間をなくし、働きやすい環境で働けるのがよいところです。そのほか、社内に業務関連の雑誌・商品を無料で利用できる環境を作ることで、従業員の知識を増やすきっかけにできます。
また、実際にある事例では従業員同士で毎月ランダムに選び出し、良いところを褒めるといった試みが行われています。褒められた部分は給与明細内に記載します。こちらは収入や手当にはなりませんが、自分が気づかなかった長所に気づかせてくれるものです。これによって自分に自信を持って業務を遂行することが期待できます。
食事補助
健康経営のひとつとして、食事面から従業員の健康管理をすることも重要です。そういった点から食事補助も福利厚生となっています。従業員に栄養豊富な食事を提供する社員食堂、設置型の食事サービス、デリバリーサービスの利用なども従業員に喜ばれます。
また、直接、昼食代を補助したり、提携している飲食店の割引サービスを利用できたりといった方法もあります。ただし、食事補助を福利厚生とする場合、企業が補助できるのは食事代の50%以下、1カ月の上限金額が3500円以下というルールを守らなければなりません。
食事補助は中小企業でも導入しやすい福利厚生のひとつで、求職者にアピールできる点でもあります。食事は毎日するものであり、老若男女が見た目や味、種類などさまざまな料理を堪能することで満足を得やすいものです。
たとえば、設置型の食事サービスならば、狭いスペース内にでも冷蔵庫、自動販売機を設置して24時間いつでも好きなときに低価格で社食を食べられるようにできます。自動販売機であれば1台ですみますし、冷蔵庫の場合もセルフレジを設置しておけば人員を割く必要もありません。
福利厚生を導入するメリットはたくさんある!
自社に福利厚生を導入することでさまざまなメリットを得られます。こちらでは、主なメリット5つについて紹介します。
従業員満足度が向上する
福利厚生を導入すれば、従業員にとって職場環境が居心地のよいものになる可能性が高まります。これはリラックスできたり、十分な休暇がとれたりすることで従業員の満足度が向上するからです。
従業員満足度がアップすると会社への帰属意識や愛着つまりエンゲージメントの向上につながります。従業員満足度が高ければモチベーションや生産性がアップし、それがサービスの質にも良い影響を与えることが可能です。それによって、顧客満足度も向上するという相乗効果が期待できます。
有給を取得する権利があっても、実際には従業員同士の関係性によって取得しにくいところもあるかもしれません。しかし、特別休暇として福利厚生になっていれば堂々と有給を取得できます。従業員も仕事とのメリハリをつけて前向きに業務に取り組みやすくなるでしょう。
働きやすい職場環境、休みを取得したいときに取りやすい環境、この2つが揃っていることでネガティブな感情が生まれにくくなります。満足度の高い企業からは離職を考える従業員も減少するため、最終的に優秀な人材の他社への流出も防ぐことが可能です。
企業イメージが良くなる
福利厚生が充実していると、従業員を大切にする企業というイメージのメッセージになります。福利厚生が充実していることは口コミなどで拡散されやすく、労働環境にもしっかりと目を配る優れた企業であることが広く世間に伝わるのも良いところです。かつては重要視されるものが異なり、大事なのはあくまでも顧客満足度でした。
しかし、人材不足の社会となり、現状は従業員満足度を向上させることが重要であるという考え方に変化しています。優秀な人材を1人でも多く自社に獲得するためにも企業イメージが良いことは重要ポイントであるといえるでしょう。
充実した福利厚生は、企業イメージの向上や高い信頼性を獲得するために活用できます。福利厚生を充実させるためには、そもそも安定した経営基盤がなければできません。そのため、そういった意味でも信頼できる企業という証明になります。
節税効果がある
福利厚生にかかった費用は、一定条件をクリアしていれば経費として計上できます。経費については非課税です。つまり、福利厚生費を経費にできれば、法人税の計算をする際に含まれる利益の圧縮に法人税自体の節約ができます。
ちなみに、経費として認められるためには「社内規定が整備されている」「従業員全体が対象である」「社会通念上、妥当な範囲の支出であること」という3つの条件を満たしていなければなりません。
具体的には、会社の制服の購入費用は福利厚生費になります。ただし、制服として認められるには「社内でのみ着用している」「会社ロゴ・社章などが入っている」「従業員全員が着用する」という条件のクリアが必要です。ただ、高級すぎるものは制服として認められません。
食事費用を福利厚生にすることも節税になります。食事の支給が福利厚生として認められるためには、給与から従業員の負担分を天引きすることが条件です。また、会社として支給できるのは1カ月3500円までと決められています。
そのため、1カ月分の食事代で3500円以上になった分を給与から天引きしなければなりません。従業員にとっては所得税・社会保険料がその分安くなり、企業側も食事支給の費用分を経費にできます。
人材不足を解消できる
就職先・転職先を探す際に待遇を重視する人は少なくありません。福利厚生が充実しており、働きやすい環境が整っていれば求職者にとって非常に魅力的です。その分、採用時にも多くの人材が集まり、優秀な人材の確保につながります。他社との差をつけることができれば、自社への注目度もアップするでしょう。
しかも、現社員の不満解消ができるので離職防止になり、人材不足の解消も可能です。福利厚生が充実していると、この会社で働きたいと注目されることも多くなります。そのため、企業としての知名度がまだ高くない中小企業であっても、従業員を確保できる可能性が高くなるでしょう。
労働意欲も高まることから、従業員の定着率も高くなります。一般的に入社してからの3年間が勝負であり、この期間に離職する従業員は約3割です。入社後にせっかく育ててきた人材がやっとさまざまな業務に取り組めるようになった頃に退職されてしまうのはもったいないです。企業側としても時間と費用面で損をしてしまいます。
人材不足を避けるためには、従業員のニーズを把握して導入することが必須です。
社員の健康維持・増進につながる
福利厚生のなかには健康診断やスポーツジムの割引サービスなどもあり、従業員の健康維持や増進ができます。休暇制度を整えておけば、必要に応じてゆっくり休息することも可能です。
たとえば、リフレッシュ休暇があれば行き詰った時でも英気を養うことができるでしょう。日本はストレス社会という言葉が生まれるほど、ストレスによって心身が不調になる人が多いです。しかし、心身ともに健康でいられる環境があれば、企業の生産性も高まることが期待できます。
肉体的な健康だけではなく、メンタルヘルスのサポートをする体制が整っているかどうかが重要です。疲れているときは精神的な疲労も大きくなってしまいます。そういったときでもサポート体制を福利厚生で整えられていれば、会社側が素早く状況把握できます。
社員から人気がある福利厚生とは?
従業員から人気が高い福利厚生は「住宅手当・家賃補助」「食事補助・社員食堂」「子育て・介護支援制度」「育休・産休・介護休暇制度」などです。毎月支払わなければならない住宅ローンや家賃は負担が大きいので、非常にニーズが高い福利厚生となっています。
また、毎日の食費も負担が大きいもののひとつであり、安く食事ができる食事補助や社員食堂は好評です。健康経営という面でも食事関連の福利厚生は注目されています。
女性の場合は妊娠・出産を考えたときに、育休や産休制度が充実している企業が人気です。子どもが幼いうちは急病で休まなければならないことも多いため、子育て支援がしっかりしている企業が好評となっています。
さらに、家族の介護支援など家庭に関する福利厚生も人気です。育児や介護と仕事を両立できるようにサポートをしてもらえるため、利用者も少なくありません。育児の場合は一時保育あるいは月極保育の補助金、介護の場合は介護用品の購入補助や居宅介護サービス補助といったものが挙げられます。
参考にしよう!ユニークな福利厚生の事例
こちらでは、さまざまな企業で導入されているユニークな福利厚生を紹介します。たとえば、海外の大手企業では、1日3食分すべてを社員食堂としてビュッフェスタイルで提供しています。
3食すべての食事が無料、しかも作っているのは一流シェフです。おいしい食事を堪能して、仕事に集中できる環境を作っています。ほかにも、ランドリーサービスを行っている企業もあります。職場の決められた場所に洗濯物を持っていくと、後日社内の自分のもとに届けてくれるというサービスです。
仕事が忙しい人はなかなかクリーニングにいくこともままならないときがあります。そういったときでも、社内にランドリーサービスがあれば、いつでも好きなときに持っていくことが可能です。
疲れた脳を休ませる時間を作るために、昼寝20分程度ができる制度を作っている企業もあります。この福利厚生の導入は、昼寝から目覚めてすっきりとした頭であれば、クリエイティブな発想、斬新なアイディアなどが浮かびやすくなるという考え方からです。帰省する際の費用を支援する制度を導入している企業もあります。
帰省する際に高額な費用がかかり、負担になることから控えている人も少なくありません。帰省費用の支援によって普段会えない家族との時間を持ち、コミュニケーションをとってリフレッシュすることが目的となっている福利厚生です。
どう選ぶ?福利厚生を導入するときに考えたいこと
福利厚生を自社に導入する際にどのような点に気をつければよいのかについて解説します。
従業員のニーズに合わせる
福利厚生は従業員の幸福・生活の安定などが目的となっています。そのため、あくまでも従業員のニーズに合わせたものであることが重要です。福利厚生の導入には費用もかかります。
ニーズのない福利厚生を導入しても、従業員の満足度が向上することはありません。従業員のニーズを具体的に知るためには、アンケートを取るといった方法で正確に把握することが大切です。場合によっては、自社の体制を見直す必要も出てくるでしょう。
不公平にならないようにする
福利厚生は従業員全員が分け隔てなく利用できるものでなければなりません。一部の従業員のみが適用される内容の福利厚生では、利用できない従業員が不平不満の声が生まれやすいからです。
できるだけ誰でも利用できる福利厚生制度を導入しましょう。従業員全員が働きやすく、居心地のよい状態でなければ、生産性の向上や離職率の減少といったメリットにもつながりにくいです。不公平になりやすい福利厚生は、たとえば、配偶者・子どもがいる場合に利用できるものが挙げられます。独身の従業員が利用できないため、不公平になる可能性が高いです。
また、正社員のみ、本社の従業員のみといった福利厚生も、パートやアルバイトの従業員、支社の従業員が利用できないので不平等になってしまうでしょう。
従業員の雇用形態、独身・既婚といったものを問わない内容のものを選択するのが望ましいです。もしくは、従業員自身が自分で必要な福利厚生を選択できる仕組みを作ると不公平だという声も生まれにくくなります。
福利厚生を導入する2つの方法
こちらでは、福利厚生を導入するための2つの方法「自社で企画して用意する」「福利厚生サービスを利用する」について紹介します。
自社で企画して用意する
福利厚生の導入方法のひとつは、自社で企画・運営、管理まですべてを行うというものです。金銭的補助は自社で導入しやすいため、たとえば、住宅手当や家賃補助、お祝い金といったものが向いています。
ただ、注意点はすべてを自社で行わなければならないので、福利厚生の運営を担当する従業員の負担が大きくなりがちなことです。企業と従業員が資金を出し合って共済会を設立し、そちらで福利厚生の運営を行う企業も少なくありません。ただし、財源はあくまでも企業と従業員によって作られているため、従業員数が少なければ財源自体も限られてしまいます。
そのため、共済会については、従業員数が多い大規模企業に向いている方法といえるでしょう。
独自性のある福利厚生を用意している企業では、他社にはないものを導入している企業もあります。たとえば、自社の社員食堂の完全無料化、目標の達成で賃金はそのままで時短勤務ができる制度、自転車通勤制度などです。自転車通勤制度は、従業員が通勤・退勤の際に自然と運動ができる福利厚生となっています。
自社で企画・導入する場合で人気になっているのは、社員食堂などの食事関連の福利厚生です。オフィス街にある近隣のお店はランチタイムに混雑しがちですし、繁忙期などはゆっくり食事をするのも難しいときがあります。社内に食堂やカフェがあれば、従業員に栄養バランスのとれた食事を安く提供することも可能です。
福利厚生サービスを利用する
福利厚生の導入・運営を完全に代行サービスに任せる方法もひとつの方法です。複数の福利厚生を従業員に提供したいと考えている場合、企業側にも負担がかかってしまいます。福利厚生サービスを利用すれば、企業の負担を軽減することも可能です。導入できる福利厚生の種類を数多く取り扱っています。
自社での導入が難しい福利厚生でも、こちらの代行サービスを利用することで利用できるようになることも多いです。代行サービスは福利厚生についても専門的な知識と豊富な経験があるため、導入する福利厚生に必要な手続きなどもスムーズに進められます。
福利厚生代行サービスは一般的に「パッケージプラン」「カフェテリアプラン」などがあります。パッケージプランは、用意されているパッケージのなかから必要な福利厚生を選択して利用します。料金は定額制ですが、利用できる福利厚生はあくまでも決められた範囲内からになるので、独自性はありません。ただ、パッケージ内の福利厚生も種類豊富なので、パッケージ内に自社に必要な福利厚生が揃っていればお得なプランであるといえます。
一方、カフェテリアプラン(選択型福利厚生制度)は代行サービスで用意している福利厚生と自社オリジナルの福利厚生を組み合わせるプランです。従業員は、自社からあらかじめ支給されている補助金もしくはポイントの範囲内で好きな福利厚生を選択できます。導入時には手間がかかるものの、独自性を出せる点がよいところです。
心幸グループが提供する福利厚生は種類が豊富!
福利厚生サービスを行っている「心幸グループ」では、種類豊富な福利厚生を用意しています。
企業内売店「心幸ストア(SHINKO STORE)」
心幸グループが提供するサービスのひとつとして、企業内売店「心幸ストア(SHINKO STORE)」があります。こちらは、オフィス内にコンビニを設置・運営するサービスです。セルフレジ導入店舗の設置が進んでおり、24時間いつでも無人状態で営業ができます。
従業員がわざわざ外のコンビニを利用する機会も減り、社内の売店が利用されない可能性も低くなります。また、店舗を設置するスペースに合わせたレイアウトができるため、スペースを有効活用することが可能です。
商品数も心幸グループが取引している300社以上の卸業者より1600種類以上の品の中から選択できます。電子社員証を導入している場合は、社員証と連携してストア内でショッピングすることも可能です。これは社員証とレジシステムを連携して、毎月の買い物分の金額を給料から差し引けるので財布を持ち歩く必要もありません。電子決済も可能なので、財布を持ち歩かない職場でも便利に利用できます。
食堂・カフェテリア
社内に食堂やカフェテリアを設置することもできます。コンセプトは「おいしいものを毎日手軽に」です。産地までこだわった食材を手作りで提供しており、メニューの考案は管理栄養士チームによって行われています。そのため、メニューが豊富なだけではなく、栄養面もしっかり考えられているのが特徴です。
従業員のなかには毎日利用する人も多いです。そのような場合でもメニューに飽きないように、定番メニューや日替わりメニューのほか、季節限定メニューやイベント的なメニューなどを用意することもできます。健康面のこだわりとしては、たとえば、15穀米や豆腐がメインのヘルシーメニューなども提供可能です。 また、地域限定メニューを作ったりしています。
さらに、企業に合わせた営業時間、支払方法、スタッフ管理などを行えるのもよいところです。食堂・カフェテリア自体も企業の希望やイメージに沿って提供している日本でただひとつのカスタムメイド店舗となっています。ほかの企業にはないオリジナリティのある食堂・カフェテリアにできる点も好評です。通常のレジのほか、キャッシュレス決済専用のセルフレジを導入すれば、混雑しやすいランチタイムもスムーズに支払いを進められます。
ウェルネス
理想的な健康経営とは、企業と従業員がお互いに「Win-Win」の関係になることです。従業員の健康が促進されることで業務の効率化やパフォーマンスの向上が実現します。それによって、企業の業績アップや求職者の増加につながって従業員の収入に還元され、生活の質を向上することが可能です。これが繰り返されることで健康経営の実現になります。心幸グループでは、企業に寄り添ったオーダーメイド型健康経営サポート「オフけん(オフィスに健康を)」を展開しています。
まずはヒアリングを行い、それに沿ったプランニングを提示したうえで、希望に合わせて調整を行うことが可能です。その後はプランの実行に向けて準備し、健康プランの実行となります。実行後も継続的なサポートを行っています。
サポートプログラムとして従業員向けのからだ測定会、健康セミナーなどが挙げられます。そのほか、グループ会社との連携によって、健康食品の提供・アドバイスなどをすることも可能です。
健康セミナーでは椅子に座ったままできる肩こり・腰痛予防体操、栄養講座などが挙げられます。社内の空きスペースでも休憩時間に運動ができるように、バランスボールやラケットなどを購入することも可能です。マッサージチェアもあるので、マッサージスペースにするのもよいでしょう。
置き社食コンビニ「オフめし」
社員食堂やカフェテリアよりもさらに気軽に利用しやすいのが、置き社食コンビニの「オフめし」です。オフめしはオフィスめしの略で、オフィス内の小さなスペースに食品やお菓子、ドリンクなどを卸値価格で販売します。従業員はそれらを低価格で購入することが可能です。
カップ麺、お菓子、インスタント味噌汁などのほか、健康と味にこだわりのあるオリジナル常温保存惣菜や冷凍弁当、オフィスで食べるちょっと特別なお菓子「オフがし」などがあります。常温保存惣菜は、保存料や着色料などを不使用の無添加惣菜で体にも安心です。メニュー例は煮込みハンバーグや鮭の塩焼き、鶏団子甘酢などがあります。冷凍弁当は、のり弁、もち麦ごはんのビビンバ、カレードリアなどがあります。
オフめしは予算や従業員数などの問題で、社員食堂や売店などを設置できない企業におすすめです。入会金2万円(税抜)+月額6000円(税抜)+商品代+送料で利用開始できます。支払方法は現金や給与天引き、各種キャッシュレスでの支払いに対応可能です。キャッシュレス決済をする場合は、商品購入専用アプリをインストールするだけでよいので簡単にはじめられます。商品は800アイテム以上の中から選べ、お好きなタイミングで発注・配達をすることが可能です。
キッチンカー・屋台派遣「ごちショウ」
心幸グループ社の面白い取り組みとして「ごちショウ」があります。これはランチタイムにキッチンカーや屋台を派遣して、作りたてのおいしい食べ物を提供するサービスです。提携しているお店のキッチンカーや屋台が派遣されるので種類も豊富で、たとえば、丼やスイーツ、お弁当、カレーライスなどが挙げられます。普段食べている食事とは異なる、特別感がある一日を楽しむことが可能です。
キッチンカーは駐車場内や路上、屋台は社内売店や食堂の一部、空きスペースなどがあれば問題ありません。営業時間は11~14時頃までのランチタイムで、気軽に依頼できます。家族におみやげとして持ち帰ることもできるため、家庭でもコミュニケーションをとれるチャンスです。食で癒され、家庭でも癒されることで、翌日の仕事のモチベーションになります。
豊富な福利厚生の中から自社に合うものを選ぼう!
福利厚生の種類はさまざまです。従業員のニーズがある福利厚生を導入することで、業務の効率化アップや健康経営に役立ちます。そのため、従業員のニーズを正確に把握したうえで、自社にあったものを選ぶことが大切です。心幸グループでは、種類豊富な福利厚生のサポートを行っており、企業の希望に沿ってカスタマイズすることも可能です。まずは、問い合わせてみましょう。
はたらく人を元気にする会社
グループ間協力で、売店・食堂・企業内福利厚生をワンストップでサポートいたします。売店とカフェの併設や24時間無人店舗など、個々の会社では難しい案件も、グループ間協力ができる弊社ならではのスピード感で迅速にご提案します。
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