はたらく人を元気にするウェブマガジン 福利厚生研究所 by SHINKO

令和6年度エイジフレンドリー補助金とは?徹底解説!変更内容もズバリ

令和6年度エイジフレンドリー補助金とは?徹底解説!変更内容もズバリ

令和6年度エイジフレンドリー補助金とは?徹底解説!変更内容もズバリのアイキャッチ画像
更新日|2024年9月3日
所員|ハッシー
この記事の概要

エイジフレンドリー補助金とは、中小企業が高齢者を含む労働者の安全な労働環境を整える支援制度です。労働災害防止や腰痛予防のプログラムに補助金が提供され、職場の健康管理と生産性向上に寄与します。この制度を上手く活用することで、職場の腰痛の悩みの改善、生産性向上に役立ちます。この記事では、補助金のコースや申請手順などを紹介します。

目次

令和6年度エイジフレンドリー補助金とは

補助金

令和6年度のエイジフレンドリー補助金とは、中小企業が従業員の健康管理を強化する取り組みを支援する制度です。労働災害予防や転倒、腰痛の防止のために専門家による運動指導などがその対象となります。

これまでは高齢者のみを対象にした転倒防止の支援や、年齢制限はないが健康診断結果を基にした支援が中心でした。しかし、令和6年度新たに転倒防止と腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コースが設けられ、年齢に関係なく活用できるようになりました。

これにより、職場の労働者がより安全で健康的に働ける環境が整えられ、生産性向上にも寄与することが期待されています。

補助対象となる3つの取り組み

腰痛

令和6年度のエイジフレンドリー補助金には、「高齢者労働者の労働災害防止対策コース」、「転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース」、「コラボヘルスコース」の3つがあります。以下、それらのコース詳細を紹介します。

高年齢労働者の労働災害防止コース

「高年齢労働者の労働災害防止コース」は、60歳以上が対象となり、高年齢労働者が安全に働けるよう、身体機能の低下を補う設備・装置の導入その他の労働災害防止対策を補助する制度です。

具体的には、転倒・墜落災害防止対策として、作業場所の安全確保のため、段差解消や滑り防止対策、転倒時のリスク低減、階段の安全対策、手すり設置、2m未満の高所作業台導入などが支援対象です。

また、重量物取扱いや介護作業における労働災害防止対策として、作業台の設置、重量物搬送機器やリフトの導入、パワーアシストスーツの利用促進、移乗介助や入浴介助の際の身体負担軽減機器の導入、介護技術の教育などが支援されます。

さらに、暑熱な環境による労働災害防止対策として、熱中症リスクの高い作業場に休憩施設を整備し、体温を下げる機能のある服の導入や熱中症の初期症状を監視するための小型携帯機器で健康管理システムを構築するものも支援対象となります。

転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース

「転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース」は、労働者の身体機能低下による「転倒」や「腰痛」の労働災害を防止するため、身体機能維持・改善のための専門家による運動プログラムの費用を補助対象とします。

具体的には、身体機能のチェックや運動指導に要する費用を支援するものであり、医師、理学療法士、健康運動指導士、労働安全・衛生コンサルタント、アスレティックトレーナーなどの専門家が運動指導を行います。

指導方法は、オンライン開催でも可能です。転倒、腰痛予防のための物品購入やメタボリックシンドローム対策等の運動指導はこちらのコースでは対象外となりますのでご注意ください。

このコースを活用することで、労働者の転倒、腰痛予防の解消につながります。

コラボヘルスコース

「コラボヘルスコース」は、事業所カルテや健康スコアリングレポートを活用した健康保持増進のための支援制度です。コラボヘルスとは、医療保険者と事業者が協力して、労働者の健康管理や健康促進を推進する取り組みのことです。

具体的には、健康診断結果に基づく禁煙指導やメンタルヘルス対策などの健康教育・研修を産業医や保健師が支援します。健康診断結果の電子管理や健康スコアリングレポートの活用を促進するシステムの導入も対象です。また、栄養指導や保健指導も行われ、メタボリックシンドローム対策の運動指導も含まれます

これにより、全従業員の健康増進が期待されます。コラボヘルスの導入によって、職場環境の改善と共に効果的かつ効率的な健康づくりが実現します。

令和5年度エイジフレンドリー補助金からの変更点

比較

令和5年度のエイジフレンドリー補助金は、高年齢労働者の労働災害防止対策コースとコラボヘルスコースの2種類が対象でした。令和6年度もこれらのコースは継続され、内容や補助率、上限に変更はありません。

しかし、令和6年度は新たに「転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース」が加わりました。この新しいコースは、労働者の身体機能低下による「転倒」や「腰痛」の労働災害を防止することを目的としており、専門家による運動プログラムや身体機能のチェックが対象です。それらにかかる費用を支援し、補助率は4分の3で、上限は100万円となっています。

従来の高年齢労働者の労働災害防止対策コースにも転倒防止は含まれていましたが、対象は60歳以上で、物品購入が中心で運動指導は対象外でした。新たなコースでは、医師、理学療法士、健康運動指導士、労働安全・衛生コンサルタント、アスレティックトレーナーなどの専門家による転倒・腰痛予防の運動指導が提供され、対象年齢に制限はありません。

そのため、より多くの労働者が専門家による運動指導を受けることができます。現代では腰痛に悩む労働者が増加しているため、この新しいコースの誕生は働く人々の健康維持につながります。また、職場全体の安全性や生産性の向上にも寄与するでしょう。

エイジフレンドリー補助金の要件・対象

対象

それでは、エイジフレンドリー補助金の3つのコースの対象を詳しく説明します。

① 高年齢労働者の労働災害防止対策コース

■対象事業者
・労災保険に加入している中小企業事業者かつ、1年以上事業を実施していること
・役員、派遣労働者を除く、以下の労働者を雇用していること

・高年齢労働者(60歳以上)を常時1名以上雇用している
・対象の高年齢労働者が補助対象に係る業務に就いている

■補助対象
1年以上事業を実施している事業場において、高年齢労働者の身体機能の低下を補う設備・装置の導入その他の労働災害防止対策に要する経費 (機器の購入・工事の施工等)

■補助率
1/2

■上限額
100万円(消費税を除く)

■補助対象となる取り組み
〇転倒・墜落災害防止対策
〇重量物取扱いや介護作業における労働災害防止対策(腰痛予防対策)
〇暑熱な環境による労働災害防止対策(熱中症防止対策)
〇その他の高年齢労働者の労働災害防止対策(交通災害防止対策)

※厚生労働省HPより引用

② 転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース

■対象事業者
・労災保険に加入している中小企業事業者かつ、1年以上事業を実施していること
・役員、派遣労働者を除く、以下の労働者を雇用していること

・労働者を常時1名以上雇用している(年齢制限なし)

■補助対象
労働者の転倒防止や腰痛予防のため、専門家等による運動プログラムに基づいた身体機能のチェック及び専門家等による運動指導等に要する経費

■補助率
3/4

■上限額
100万円(消費税を除く)

■補助対象となる取り組み
労働者の身体機能低下による「転倒」や「腰痛」の行動災害を防止するため、身体機能の維持改善を目的とする専門家等による運動プログラムに基づいた身体機能のチェック及び専門家等による運動指導等に要する費用を補助対象とします。

※厚生労働省HPより引用

③ コラボヘルスコース

■対象事業者
・労災保険に加入している中小企業事業者かつ、1年以上事業を実施していること
・役員、派遣労働者を除く、以下の労働者を雇用していること

・労働者を常時1名以上雇用している(年齢制限なし)

■補助対象
事業所カルテや健康スコアリングレポートを活用したコラボヘルス等、労働者の健康保持増進のための取り組みに要する経費

■補助率
3/4

■上限額
30万円(消費税を除く)

■補助対象となる取り組み
労働者の健康保持増進のための次の取組に要する費用を補助対象とします。

・健康診断結果等を踏まえた禁煙指導、メンタルヘルス対策等の健康教育、研修等(オンライン開催、eラーニング等も含む)※産業医、保健師、精神保健福祉士、公認心理師、労働衛生コンサルタント等によるもの

・健康診断結果等を電磁的に保存及び管理を行い、事業所カルテ・健康スコアリングレポートの活用等によりコラボヘルスを推進するためのシステムの導入(初期導入費用のみで、パソコンの購入は対象外です。)             

・栄養指導、保健指導等の労働者への健康保持増進措置(健康診断、歯科健康診断、身体機能のチェックの費用は除く)

※厚生労働省HPより引用

エイジフレンドリー補助金の補助率・上限額

金額

① 高年齢労働者の労働災害防止対策コース
補助率:1/2  上限額:100万円(消費税を除く)

② 転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース
補助率:3/4  上限額:100万円(消費税を除く)

③ コラボヘルスコース
補助率:3/4  上限額:30万円(消費税を除く)

※厚生労働省HPより引用

補助金の申請から補助金交付までの流れ

フロー

令和6年度のエイジフレンドリー補助金交付の流れについてです。令和6年度は、「高年齢労働者の労働災害防止対策コース」、「転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動コース」、「コラボヘルスコース」の3種類があります。これらの補助金を利用するためには、以下の手順を踏んでください。

①交付申請書類提出
まずは実施したいコースを選択する必要があります。コース選択後、交付申請書類をダウンロードし、必要事項を記入します。この交付申請書類には、取り組みを実施する事業所名や実施方法、実施した後の期待される効果などを記入します。

②審査
申請書の記入が完了したら、書類を提出し審査結果を待ちます。交付申請書類は月末に取りまとめその翌月に審査を行うため、審査結果には約2カ月の時間を要します。例えば、令和6年7月1日から7月31日の間に申請を提出すれば、審査期間は8月となり、結果連絡は8月31日から9月上旬になります。そのため、対策を実施するのは、9月上旬以降です。

③交付決定
申請が通った場合には、申請者宛に交付通知書が郵送されます。万が一申請に通らなかった場合にも、申請担当者宛にメールが届きます。

④発注・購入(施工)
交付決定通知書が手元に届いた後に、運動指導の実施や物品の購入などの対策を行います。もし、交付通知書が手元に届く前に対策を実施した場合には、補助金は支払われませんので、ご注意ください。

⑤完了
対策実施完了後、支払い請求書類を作成し郵送します。

⑥支払請求書類提出、⑦補助金確定、⑧補助金交付
提出された支払請求資料を確認した後、補助金の確定と交付を行います。令和6年度の交付申請書類受付期間は、令和6年5月7日から令和6年10月31日であり、支払い請求資料提出期限は令和7年1月31日です。期限を超えて提出した場合には、補助金の支払いはできないため、期日を必ずお守りください。ただし、交付決定額予算に達した場合、申請受付期間中であっても受付が締め切られるため、できるだけ早くの申請をおすすめします。

以上が、令和6年度のエイジフレンドリー補助金交付の流れとなります。より多くの労働者の安全と健康を確保するため、適切な手続きを行いましょう。

エイジフレンドリー補助金の採択率とは?

エイジフレンドリー補助金の採択率は公表されていないため、正確な割合を出すことはできません。しかし、年々補助金の採択額は増加しており、活用できる割合も上がってきているといえます。

まずは申請が通るよう、申請書を確実に記入する必要があります。申請書には、取り組みを実施する事業所名や実施方法、実施した後の期待される効果などを記入する必要があるため、記入漏れやミスがないように正確に記入し、提出しましょう。

また、エイジフレンドリー補助金の特長として、申請期間内であっても交付決定額予算の上限に達すると急遽打ち切られてしまいます。そのため、この補助金の活用を考えている企業はできるだけ早く申請書を提出し、対策を実施することがおすすめです。ぜひこの補助金を利用して従業員の健康を守りましょう。

エイジフレンドリー補助金の事例

出前からだ測定会
「オフけん 出前からだ測定会」の様子

エイジフレンドリー補助金を活用した事例がオフィスに健康を届ける「オフけん」にあります。転倒防止や腰痛予防をテーマにしたからだ測定会や運動セミナーを開催しています。参加者は自分のからだを理解し、個々に合った運動指導を受けることができます。以下、「オフけん」のサービスをご案内いたします。

オフけん「エイジフレンドリー補助金利用健康経営プラン」

オフィスに健康を届ける「オフけん」では、エイジフレンドリー補助金を活用した「出前からだ測定会」や「健康セミナー」を実施しています。

この測定会には3つの種類があり1つ目は、体成分測定です。体重、体脂肪率、全身の筋肉量、部位別の筋肉量、体水分量、内臓脂肪レベルなどを機械に乗って測定します。測定時間は約1分で測定後結果表がすぐにプリント印刷されます。

2つ目は、体力測定です。種目として、握力、目つぶりバランス、垂直跳び、反射神経、前屈、腹筋30秒チャレンジの6種目があります。こちらも測定後すぐに結果がプリント印刷され、ご自身の体力年齢や種目ごとの評価を知ることができます。

3つ目は、AI姿勢測定です。専用のアプリを用いて、立位姿勢を撮影することで、AIが自動的にからだのズレや未来姿勢などを解析します。測定時間は約1分で、結果はご自身のスマートフォンにも反映することが可能です。

これらの測定後には転倒、腰痛予防を中心に個々にあったカウンセリング、運動指導を実施します。

「出前からだ測定会」だけでなく、簡単なトレーニングやストレッチなどの実技も取り入れた「健康セミナー」も実施しています。例えば、転倒予防には下半身の筋肉向上が重要です。そのため、スクワットやふくらはぎのトレーニングなどをその場で実施します。ストレッチは椅子に座ったままでも実施可能であり、手軽に実践できる点が魅力です。オフィスでできるトレーニングやストレッチを紹介するため、セミナー後も役立つ内容となっています。

ぜひエイジフレンドリー補助金を活用して従業員のからだを見直してみませんか。

▶「オフけんエイジフレンドリー補助金利用健康経営プラン」のサービス詳しくはこちら

まとめ

エイジフレンドリー補助金を活用することで、何よりも従業員の健康度が向上します。現代は超高齢社会といわれており、60歳を超えても働いている方がたくさんいます。

現在の定年は65歳とされていますが、今後はもっと長く働く社会になるかもしれません。医療の発達により平均寿命は増加していますが、健康寿命との差は依然として大きいです。

そのため、誰もがより長く健康に生きていくために、会社として従業員の健康を守ることは非常に重要です。令和6年度新たに追加されたコースは年齢制限も特にないため、ぜひこの機会に補助金を活用し、従業員の健康意識向上につなげてみてはいかがでしょうか。

元気な会社は社員が元気!健康経営サポート

メルマガ会員登録

メルマガに登録して、
最新の情報をキャッチ!

  • 福利厚生研究所の記事更新のお知らせ
  • 福利厚生や健康経営のおすすめ情報
  • 心幸グループ(運営元)のキャンペーン情報
  • 健康経営サポートオンラインセミナーのご案内 等

メールのアイコンMAIL MAGAZINE

    メールアドレス*