リスキリングの意味とは?人材育成に活用するポイントや導入事例を解説
リスキリングとは、新しい領域や業務で要求されるスキルを新しく獲得することを意味します。日本における産業構造やビジネスモデルの変化、DX化、人口減少による労働力不足、国際的な注目、政府の支援策などにより、リスキリングへの関心が増しています。この記事では、企業がリスキリングを推進するメリット・デメリットや、ポイント、導入事例などを詳しく解説していきます。
目次
リスキリングとは?意味を解説
「リスキリング」とは、従業員や個人が新しいスキルや能力を習得するための再教育やトレーニングのことを指します。リスキリングは、技術の進化、経済の変動、産業の変革などにより、既存のスキルが陳腐化したり、新しいスキルが必要とされたりする時に特に重要となります。
リスキリングについて、経済産業省では以下のように定義しています。
「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」
つまり、新しい知識やスキルの習得を通じて、異なる仕事への移行や、複数の職務を組み合わせた新しい領域への取り組みを推進する活動を指すと言えます。
例えば、IT分野では、プログラマーやIT技術者は、新しいプログラミング言語や技術が登場するたびに、それを学ぶ必要があります。過去のCOBOLプログラマーが現代のPythonやJavaScriptを学ぶのは、リスキリングの一例と言えます。
また、製造業においても、ロボットやAI技術の導入により、製造業の作業員は機械の操作方法だけでなく、機械との協働方法や新しい技術に関する基本知識も必要となります。先を見越して学ぶことがリスキリングとされています。
医療分野では、新しい医療技術や機器の導入に伴い、医師や看護師は新しい手法や操作方法を学ぶ必要がありますし、金融サービスにおいてもデジタル通貨やブロックチェーン技術の台頭により、金融業界の従業員はこれらの新しい技術やプラットフォームに関する知識を習得する必要があります。
これらの例からわかるように、リスキリングはさまざまな産業や職種において必要とされるものであり、技術や市場の変化に迅速に適応するための鍵となります。
アップスキリング(スキルアップ)という言葉がリスキリングと対比的に使われます。これは、個人が現在の業務や領域での専門性や能力をさらに向上させるための取り組みを意味します。例えば、デザイナーが新しい技法を学ぶのは、アップスキリングの例です。
一方、リスキリングは個人のキャリア目標達成のための取り組みとして行われることもありますが、ビジネスで考えると、企業が経営戦略を具現化する上での中心的な取り組みとして位置づけられることが多いです。
リスキリングが注目されている背景
リスキリングが注目されている背景にはまず、「産業構造やビジネスモデルの変化」が挙げられます。世界経済フォーラムの「The Future of Jobs Report 2020」によれば、技術の進展が原因で2025年までにおよそ8,500万の職が消滅し、一方で約9,700万の新職が登場するとされています。
この産業の変遷により、新たなビジネスモデルやサービスが創出されており、労働者の約半分が変化に対応する新しいスキルの獲得が求められると指摘されています。AIやロボット技術の導入により、標準的なタスクが自動化される中、労働者からは更なる価値創出のためのスキルが期待されるようになっています。
参考/世界経済フォーラムの「The Future of Jobs Report 2020」
次に、「人口減少による労働力不足」もリスキリングが注目されている理由になります。少子高齢化の影響で労働人口が減少しており、パーソル総合研究所の調査「労働市場の未来推計2030」によれば、日本においては2030年には「644万人の人材不足」に陥るという結果が出ています。労働人口を確保するための対策として、女性やシニア、外国人の活用、そして一人ひとりの生産性を上げることが挙げられています。
参考/パーソル総合研究所「労働市場の未来推計2030」
また、「ダボス会議で議題に上がったこと(国際的な注目を集めたこと)」も注目を集める要因の一つです。2020年のダボス会議(世界経済フォーラムの年次総会)では、第4次産業革命に伴う技術変化への対応として「リスキリング革命」が議題に上がりました。「2030年までに全世界で10億人により良い教育、スキル、仕事を提供する」という内容です。
第4次産業革命の中でも、デジタル変革(DX)の加速が特に注目されており、リスキリングが重要視されています。第4次産業革命はバイオテクノロジーやロボティクスのような多くの技術進展を伴いますが、特にDX(デジタルトランスフォーメーション)の急速な進展が注目を集めています。その結果、DXの人材育成の中で「リスキリング」という概念が頻繁に取り上げられるようになりました。
最後に、「政府の支援策」が挙げられます。岸田文雄総理は、2022年10月ににリスキリングのための支援策を総合政策に盛り込むと表明しました。「新しい資本主義」の実現に向けて、人への投資としてのリスキリングが重要視されています。
これらの背景から、ビジネスの変化や労働人口の変動、国際的なトレンドなど、多岐にわたる要因がリスキリングの重要性を高めていると言えます。これにより、企業は社員のスキルの再編やアップスキリングを進め、新しい時代のニーズに応えることが求められています。
リスキリングを人材育成に活用するポイント
リスキリングを人材育成に活用するためのポイントは、まず従業員の現在のスキルと未来のニーズの間のギャップを明確にすることです。このギャップを理解することで、どのスキルが強化または新たに習得する必要があるのかを特定できます。また、従業員が新しいスキルを迅速に習得できるような環境や教育プログラムの提供が不可欠です。変化の速い現代のビジネス環境において、実践的なトレーニングやシミュレーションを取り入れることで、新しいスキルの習得を効果的に行えます。
また、学びは一過性のものではなく、持続的であるべきです。従業員の学びの進捗をフィードバックと評価を通じてサポートし、多様な学習手法を利用して個々のニーズに応えることが重要です。経営層やマネージャーのリーダーシップがキーとなり、リスキリングの必要性や価値を強調することで従業員のモチベーションを向上させることができます。
また、外部の専門家やトレーニング機関との連携により、最新の知識や教育手法を組織内に導入することが可能となります。組織としては、リスキリングのための継続的な投資が必要であり、長期的な人材育成戦略の一部としてリスキリングを位置づけることが求められます。
最終的に、成功の鍵は従業員一人ひとりが新しい学びに対する意欲を持ち、組織全体でその取り組みをサポートすることにあります。
企業がリスキリングを推進するメリット
リスキリングを推進することには、企業にとって多くのメリットがあります。これらのメリットを最大限に活かすためには、リスキリングの取り組みを組織の戦略的な一部として位置づけ、継続的に投資することが重要です。以下は主なメリットになります。
生産性の向上
リスキリングにより従業員のスキルを最新のものに更新することで、彼らの作業の効率や質が向上します。最新の技術や手法を駆使して業務を遂行することで、過去の方法よりもタスクの完了速度が速くなります。
また、最新のスキルを持つ従業員はエラー率が低下することも期待され、これは結果的に企業の生産性の全体的な向上を促進します。
人材の確保と維持
従業員に継続的な学びの機会を提供すると、彼らは自身の成長と企業への所属感を強く感じるようになります。このような取り組みは、特に新世代の従業員にとっては非常に魅力的で、彼らの採用と定着をサポートします。
また、離職率の低減は、再採用や新たなトレーニングにかかるコストを抑えるという経済的メリットも生み出します。
イノベーションの促進
リスキリングを通じて新しいスキルや知識を持つ従業員は、既存の枠組みや思考から脱却し、革新的なアイディアや解決策を生み出す可能性が高まります。
このような動的な思考の従業員は、企業のサービスや製品の改善に貢献するだけでなく、新しい市場機会やビジネスモデルを発見する可能性も増します。
リスクの軽減
技術の進化や市場環境の変化に伴うリスクは避けられませんが、リスキリングにより従業員はこれらの変化に対応する能力を強化します。
これにより、市場の変動や技術的な障壁に対する企業の耐性が増します。さらに、競合他社との競争力を維持・向上させることで、ビジネスの持続性も確保されます。
ブランドイメージの向上
リスキリングの取り組みを公然と行うことは、企業が従業員のキャリア成長を重視しているという強力なメッセージを外部、特に顧客やパートナー、投資家に伝えることができます。
このような社会的責任を果たしている企業は、消費者からの信頼を獲得しやすく、良好な企業の評価を得ることができます。
企業がリスキリングを推進しないデメリット
企業がリスキリングを推進しない際のデメリットには、以下のような点が挙げられます。リスキリングを推進しないことは、企業の競争力、生産性、イメージなど、多方面でのデメリットにつながる可能性が考えられます。
技術の遅れ
継続的なスキルの更新がない場合、従業員は古い技術や方法に依存し続けることになり、企業全体が業界の進化から取り残されるリスクが高まります。さらに、この技術の遅れは、顧客の要求を満たすことができなくなり、ビジネスの機会を逸してしまう可能性があります。
既存の知識やスキルのみに依存すると、業界の新しいトレンドや消費者のニーズの変化に気づくのが遅れることも考えられ、結果として競合他社に後れを取るリスクが生じます。
生産性の低下
従業員が最新のツールや技術を使用しないことで、作業効率が低下し、生産性が低下する可能性があります。この生産性の低下は、業務の遅延や顧客満足度の低下にもつながる可能性があります。
さらに、コストの増加や利益率の低下を招く恐れもあります。このような状況は、企業の持続的な成長や競争力を損なう要因となります。
離職率の上昇
従業員はキャリア成長の機会を求めています。リスキリングの機会が提供されない場合、他の企業での成長の機会を求めて退職する可能性が高まります。
高い離職率は、再採用や研修のコスト増加という形で企業の負担となるだけでなく、組織のモラルや結束力の低下をもたらす恐れがあります。
リスクの増加
技術の変化や市場の動向に対応できない従業員は、意図しないエラーやミスを起こすリスクが増えることが考えられます。これにより、品質問題や顧客のクレームが増加し、企業の信頼や評価を損なう可能性があります。
企業イメージの低下
企業がスタッフの継続的な成長やスキルの向上をサポートしていないと感じられると、顧客やビジネスパートナー、投資家からの信頼や評価が低下する恐れがあります。
このような状況は、新しいビジネスの機会を逸するリスクを増大させるとともに、企業の長期的な成功を阻害する要因となります。
リスキリングの導入事例
日本企業におけるリスキリングの導入事例です。大企業を中心に紹介していますが、中小企業こそ企業力アップのために取り入れたい制度でもあります。参考にしてみてください。
サントリーホールディングス
サントリーホールディングスは、社員や外部専門家を招いての勉強会を行っており、ビジネススキルに限らず、文化や趣味に関連するテーマでも実施するのが特徴です。
また、企業内大学「サントリー大学」に「100年キャリア学部」を設立。この学部は“人生100年時代”に適応できるマインドセット・スキルセットの習得を目的としており、特に40代以上の社員への学び続ける姿勢の形成を重点的にサポート。
ワークショップ受講の必須化、eラーニング、資格取得支援、社外のNPO法人と連携したプログラムを実施しています。社員が一生涯活躍し続けることを支援し、キャリアのデザインを促進していく方針を明確にしています。
参考/サントリー公式HP
伊藤忠商事
伊藤忠商事では、「自主的な成長」を重視しており、従業員は毎年、自らの強み・弱みやキャリアの状況を見直し、上司との対話を通じてスキルアップ(リスキリング)や将来のビジョンを共有します。そして100種類以上の「キャリアサポート研修」から必要なプログラムを選んで受けることが可能です。
「実務の能力」の側面からは、異なる視点を持つ「業界のエキスパート」を育てるため、各部門や本社の人材戦略に沿ったオリジナルの研修を提供しています。さらに、中期的な経営方針に基づき、ビジネス変革を牽引する「DXの収益中心のアプローチ」を取り入れる人材を養成する目的で、先進のビジネス戦略のケーススタディやITの専門的な知識を身につけるための研修や講座を設けています。
参考/伊藤忠商事公式HP
日本製鉄
日本製鉄は、リスキリングの取り組みを進める社員のために、最大3年間の休職を可能にする新制度を導入しています。この制度は博士号取得などの高度な学習を目指す社員が大学院に通学しやすくするためのもので、これにより日本の企業が学習の機会を増やす動きが広がっていくことが予測されます。
日本製鉄という国内の大手製造業がこのような長期休職制度を取り入れることで、業界全体での学習の取り組みが一層加速することが期待されています。
参考/日本経済新聞「日本製鉄、学び直しに3年休職制度 博士号取得を後押し」
メルカリ
メルカリは、社員の博士課程進学を支援する制度「mercari R4D PhD Support Program」を導入しています。将来的に事業の発展や社会的課題の解決に貢献しうる専門領域において博士課程に進む社員を対象に、学費を全額支給し、研究と業務の両立をサポートするための柔軟な業務時間の選択が可能です。
また、R4Dは研究に必要な手続きや支援を提供します。この制度は、社員がメルカリ内でキャリアを再構築し、新しいチャンスを探る手助けとなります。さらに、メルカリとR4Dは、限られた研究領域を超えて専門家を育成し、イノベーションを推進する人材を強化することが期待されます。
参考/メルカリ公式HP
リスキリング推進における課題
リスキリングを推進する際には、企業や個人が直面する多くの課題が存在します。以下にその主要な課題を挙げます。
- コストの問題:研修プログラムの開発や外部講師の招聘、学習プラットフォームの導入など、リスキリングにはしばしば高額な費用がかかります。
- 時期の選定:絶えず進化する技術や業界の動向に合わせて、いつ、どのスキルを習得すべきかの適切なタイミングを見極めるのは難しい。
- 従業員のモチベーション:全ての従業員が新しい学びに積極的でない場合があり、受講の意欲を喚起し持続させるのは容易ではない。
- 適切なカリキュラムの選択:どのスキルや知識が将来的に本当に価値を持つのかを予測し、そのための適切な教育プログラムを選定するのは困難です。
- 実践との連携:新しいスキルを習得した後、それを実際の業務で活かす機会が十分に与えられないと、習得したスキルは浸透しづらい。
これらの課題を乗り越え、継続的にリスキリングを推進することが、企業の競争力を保つためには必要となります。
リスキリングの進め方
企業がリスキリングの取り組みを成功させるためには、経営のビジョンや今後の戦略と連携しながら具体的なアクションを展開することが求められます。以下は、そのための具体的ステップをまとめたものです。
経営方針と合致した求める人物像やスキルの策定
成功への第一歩は、目指す方向性の明確化です。企業の経営や事業戦略を深く理解し、それに基づいた人材の像や求めるスキルを明確に定義します。これにより、企業全体が共通の目標に向かって動くことが可能となります。
現状のギャップを明らかにして課題を認識させる
「どこに行きたいのか」を明確にしたら、現在の状況との違い、すなわちギャップを計測します。従業員一人ひとりのスキルを明らかにし、必要なスキルの取得状況やウィークポイントを可視化します。
教育手段の導入
目標とするスキルセットに基づいて、最も効果的な教育プログラムを選択・実施します。オンライン研修や実地研修の他、社内の勉強会や外部からの専門家招聘など、多様な手法を取り入れることが求められます。
さらに、大手企業の提供するマイクロ・クレデンシャル制度(※)など、最新の教育手法を取り入れることも考慮すべきです。
※マイクロ・クレデンシャル制度とは
マイクロクレデンシャル制度は、従来の学位や資格とは異なる、特定のスキルや知識領域に焦点を当てた小規模な認定制度を指します。この制度は、特定のトピックやスキルに関する習熟度を証明するためのもので、通常、短期間での学習と評価を経て取得することができます。日本版MOOCsとしてオンライン大学講座(JMOOC)を提供する一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会の調査によると、JMOOCの延べ学習者は120万人を超えており、毎年の登録者数も増加し続けています。
習得スキルの実務への適用
学んだ知識や技術を業務に生かすことで、その真価が問われます。実際の業務場面でのスキル活用を推奨し、経験を積むことでそのスキルを更に深化させることが重要です。
また、その結果やフィードバックを全社で共有することで、連携を強化し、組織としての学びを促進させることができます。
リスキリングの導入時の注意点
リスキリングの導入に際して注意すべき点は多岐にわたります。以下は、リスキリングプログラムを導入する際の主要な注意点をいくつか挙げ、詳細に説明します。
- 明確な目的の設定: リスキリングの取り組みには明確な目的が必要です。何のために、どのようなスキルを身につける必要があるのかをはっきりとさせることで、効果的なプログラムの設計や評価が可能となります。
- 従業員のニーズと動機を理解する: 一律のプログラムを強制するのではなく、従業員の個別のニーズや動機を考慮することが重要です。学びのモチベーションを高めるためには、彼らのキャリア目標や興味を反映したプログラムの提供が求められます。
- 実践的な学習環境の提供: 知識を身につけるだけでなく、新しいスキルを実際の業務で適用できるような環境を整えることが必要です。シミュレーションや実務トレーニングなど、実践的な学習方法を取り入れることで、スキルの定着を促進します。
- 継続的な評価とフィードバック: リスキリングの取り組みは、一度きりのものではありません。継続的にその効果を評価し、必要に応じて内容を見直すことで、プログラムの質を維持・向上させることができます。
- 学びのアクセス性を高める: すべての従業員が平等に学びの機会を得られるよう、オンライン学習や様々なフォーマットの教材を提供することで、学びのアクセス性を高めることが求められます。
- リーダーシップのコミットメント: 上層部のコミットメントやサポートがなければ、リスキリングの取り組みは成功しにくいです。リーダーたちがこの取り組みを重視し、リソースやサポートを提供することが、組織全体のリスキリング推進に繋がります。
- 文化の醸成: 学びの文化を組織内に根付かせることで、従業員が自発的に新しいスキルを学ぶ意欲を持つようになります。リスキリングは単なるプログラムではなく、組織文化の一部として位置づけることが必要です。
これらの注意点を考慮しながらリスキリングの取り組みを進めることで、組織としての持続的な成長と従業員のキャリアの向上を同時に実現することが可能となります。
よくある質問
リスキリングと混同してしまいそうな言葉、よく並べられる言葉に、リカレントやアンラーニング、OJTがあります。それぞれリスキリングとの違いを説明しました。
リカレントとの違いとは?
リスキリングとリカレントは、学び直しやスキルの再獲得を中心とした教育のアプローチですが、目的と方法に違いがあります。
リスキリングは、主に企業が主導で、従業員が新しい技術や業界の変化に対応するためのスキルを更新するためのものです。これに対して、リカレントは、社会に出た後、個人のキャリアや人生の変化に合わせて深く学び直すもので、専門の教育機関での長期間の学びが特徴です。
リスキリングは現職の中での迅速なスキルアップデートを重視し、リカレントは個人の成長とキャリアの再構築を中心に置いています。
アンラーニングとの違いとは?
リスキリングとアンラーニングの違いは、学びの焦点とプロセスにあります。リスキリングは、新しいスキルや知識を獲得することに重点を置いており、特に技術の進化や産業の変化に対応するための新しい技能の習得を指します。
一方、アンラーニングは、以前に学んだ知識やスキル、信念などが現在の状況や課題に適合していない場合、それらを意識的に放棄することを意味します。このプロセスは、新しい視点や方法を受け入れるための土壌を整えることを目的としています。
要するに、リスキリングは新しいものを学ぶこと、アンラーニングは古いものを忘れることを中心に考えられています。
OJTとの違いとは?
リスキリングは、従業員のスキルを現代のニーズや急速に変わる業界の要求に合わせて更新・再教育することを目的としています。特に技術の進化や市場の変動によって新たなスキルや知識が求められる時に重要です。リスキリングは、オンラインコースやワークショップなど、様々な方法で行われることが多く、業務時間外の学習を伴うこともあります。
一方、OJTは新入社員や従業員が現在の業務に必要なスキルや知識を、実際の仕事の中で直接学ぶ教育手法です。これは実際の業務を通じて行われ、先輩や上司からの直接的な指導が中心です。OJTは、新しい従業員が必要なスキルを速やかに習得することを目的としており、短期間での成果が求められることが一般的です。
リスキリングは未来のニーズや技術の変化に合わせてスキルを再教育・更新することを目指すのに対し、OJTは現在の仕事を効果的にこなすための即時のスキルや知識を習得することを目的としています。
まとめ
リスキリングは、急速に変化するビジネス環境と技術革新の中で、持続的な雇用とキャリアの進展をサポートするための不可欠な取り組みとなっています。
この取り組みにより、従業員は新しいスキルを獲得し、キャリアの適応性と展望を向上させることができます。また、企業は変動する市場ニーズに迅速に対応し、競争力を維持・強化することが可能となります。
自らのキャリアと企業の未来を明るくするためにも、リスキリングの取り組みをおすすめします。
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