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会社の禁煙対策とは?具体的な取り組みや成功事例を紹介

会社の禁煙対策とは?具体的な取り組みや成功事例を紹介

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更新日|2024年12月19日
所長|大谷
この記事の概要

会社の禁煙対策とは、従業員の健康増進や職場環境の改善を目的として、企業が禁煙を推進するために実施する様々な取り組みのことです。従業員の健康向上や働きやすい職場環境の構築に大きく貢献するだけでなく、生産性の向上や社会的責任の履行にもつながります。この記事では、会社が禁煙対策を行なう必要性やメリット、具体的な取り組み、成功事例などをお伝えしていきます。

目次

企業における禁煙対策の必要性

女性社員

企業にとって禁煙対策は、法律や社会の動向に対応するため、社会的責任の観点を鑑みて、など様々な背景から求められています。なぜ禁煙対策が求められているのか、詳しく説明します。

法律や社会の動向による禁煙対策の必要性

禁煙対策は、法律や社会の動向によっても必要性が高まっています。

日本では、2018年に改正健康増進法が施行され、受動喫煙を防ぐための取り組みが「マナー」から「ルール」へと変わりました。2019年7月1日からは、学校・病院・児童福祉施設等・行政機関の庁舎などでは「敷地内が禁煙」となり、2020年4月1日からは飲食店やオフィス、事業所、交通機関など多数の人が利用する様々な施設が「原則屋内禁煙※」となりました。

※ただし、技術的基準を満たす喫煙専用室・指定たばこ(加熱式たばこ)専用喫煙室で、出入口に標識が掲示されている場合、その室内でのみ喫煙することができます。

受動喫煙対策は、望まない受動喫煙にさらされてしまうという問題を解決するための取り組みです。ルールを守らない場合は、罰則の規定も設けられました。従来のマナーと新たなルールによって、受動喫煙の防止が進むことが期待されています。

企業の社会的責任の観点から見て

禁煙対策は、企業の社会的責任の一環としても求められています。

企業は、単に商品やサービスを提供するだけでなく、社会に対して責任を持つ存在として、環境や社会問題にも配慮することが求められます。そのため、禁煙対策も社会的責任の観点から重要な課題となっています。

禁煙対策を実施することで、企業は、従業員や顧客、そして社会全体に対して、健康への配慮を示すことができます。また、禁煙が推進される現代社会において、企業が積極的に禁煙対策を実施することで、社会的信頼性が高まるというメリットもあります。

社会の動向としては、禁煙が推進される傾向があります。たとえば、タバコの害に関する情報が広く知られるようになり、喫煙者の減少が進んでいます。健康増進を目的とした施策やキャンペーンが行われ、タバコの害を訴える広告も増えています。これらの動向から、企業においても、禁煙対策を積極的に実施することが求められています。

禁煙対策のメリット

メリット

企業が禁煙対策を実施することには、以下のようなメリットがあります。

従業員の健康促進や生産性向上

禁煙対策により喫煙率が下がることで、喫煙による健康被害が減少することが期待されます。喫煙によって引き起こされる健康被害は多岐にわたり、たとえば肺がん、心疾患、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患などが挙げられます。これらの病気にかかることで、従業員の体調不良や欠勤、労働生産性の低下が起こることがあります。

禁煙対策により、これらの病気を予防することができるため、従業員の健康状態が改善され、生産性が向上することが期待されます。また、禁煙によって味覚や嗅覚が改善されることで、食事の味や匂いをより鮮明に感じることができるため、食欲が増進することもあります。食欲が増進することで、栄養バランスの良い食事を摂取することができるようになり、健康維持にもつながります。

さらに、禁煙により、ストレスやイライラの緩和効果があることが知られています。これにより、禁煙者は心身ともにリラックスし、ストレスによるパフォーマンス低下を防ぐことができます。

以上のように、禁煙対策によって、従業員の健康状態が改善され、生産性が向上することが期待されます。また、禁煙対策を積極的に実施することで、従業員の健康促進に貢献することができます。

健康的な職場環境の構築による定着率・採用力の向上

企業の禁煙対策には喫煙者の健康向上のメリットの他に、非喫煙者の受動喫煙による病気リスクの低減のメリットもあります。

社内に専用の喫煙所を設ける他、禁煙ルールの設定、定期的な換気の実施、喫煙者に向けた禁煙サポートの導入など会社が受動喫煙防止策を講じることで、職場全体の健康リスクを低減させることができます。

禁煙化により健康リスクを低減させることができ、喫煙者はもちろん非喫煙者のストレス軽減につながります。結果として、心地よい職場環境を築くことができ、離職の防止、定着率・採用力の向上にも貢献できるでしょう。

法的リスクの回避

健康増進法の規定に違反した場合には、以下の罰則が定められています。

■喫煙禁止場所において喫煙を行った場合
最大で30万円の過料(喫煙者に対する処分)

■同法に違反した施設や喫煙室が基準に適合しておらず、勧告・命令・公表をしても改善がみられない場合
最大で50万円の過料(管理権限者に対する処分)

行政による勧告・命令・公表がなされれば、当然企業イメージの低下を招きます。早くからの禁煙対策や受動喫煙対策を行なうことで、こうした法的リスクを回避することができます。

禁煙対策による企業イメージ向上

企業が禁煙対策を推進することで、従業員や顧客、地域社会に対して、健康への配慮や社会的責任を果たすことができます。

従業員にとっては、職場環境が快適かどうかは、仕事に取り組む上で重要な要素の一つです。禁煙対策により、喫煙者の従業員も快適に過ごせる環境を整備することができます。喫煙者・非喫煙者がが快適な環境で働けることは、モチベーションの向上につながります。同時に会社への帰属意識や信頼感も醸成できるでしょう。

また、喫煙者に対する配慮(禁煙サポートによる健康向上など)をすることで、他社との差別化も図ることができます。健康な従業員が増えることは、社会的にも意義があり、より良い社会の実現に寄与できます。

企業が社会的責任を果たすことで、企業イメージの向上にもつながります。企業イメージが向上すれば、顧客からの評価が上がり、より多くの新しい顧客を獲得することもできるでしょう。

禁煙対策の取り組み

喫煙所

では、会社ができる禁煙対策の具体的な取り組みにはどういったものがあるでしょうか。例を挙げて説明します。

喫煙所の設置や禁煙エリアの設定

■喫煙所の設置
喫煙所を設置することで、喫煙者が職場内でタバコを吸う場所を限定し、禁煙エリアと喫煙エリアを分けることができます。しかし、喫煙所の設置にはコストがかかり、維持管理も必要になるため、会社の規模や予算に応じて判断する必要があります。

■禁煙エリアの設定
喫煙所以外には禁煙エリアを設定することで、職場内の空気を清潔に保ち、健康に配慮した職場環境を作ることができます。また、社員の健康管理にもつながります。

喫煙に関するルールの策定

喫煙所の使用ルールや禁煙エリアでの喫煙禁止のルールなど、明確なルールを策定することで、社員の喫煙行動をコントロールすることができます。ルールに反した場合の対応も検討しておくと良いでしょう。

喫煙者への禁煙支援

病院でのカウンセリング

禁煙を希望する社員に対して、禁煙支援を行うことで、禁煙成功率を高めることができます。企業における喫煙者への禁煙支援としては、以下のようなものがあります。

カンセリングや指導

禁煙外来の紹介や専門機関による喫煙者向けのカウンセリングや指導などを行ないます。企業が率先して推奨・実施することで、禁煙確率を向上させることが可能です。

喫煙習慣改善プログラム

喫煙習慣改善プログラムでは、タバコを吸う習慣を改善することを目的として、健康的なライフスタイルに関する情報提供や、健康づくりのための運動プログラムなどを提供します。これにより、健康的なライフスタイルを実践することが喫煙者にとっても自然な行動となり、タバコを吸う習慣が改善される可能性があります。

禁煙キャンペーン

禁煙を奨励するキャンペーンを通じて、喫煙者の禁煙意識を高めることができます。禁煙の段階ごとにプレゼントを準備すると禁煙意欲がアップします。また、禁煙を奨励する社内の文化を醸成することにより、禁煙を成功させるための環境作りにもつながります。

禁煙セミナーの実施

企業は、禁煙に関するセミナーを開催することができます。禁煙の効果や、禁煙に必要な知識、禁煙方法や禁煙補助薬などについての情報提供を行い、禁煙を奨励します。

禁煙製品の提供

企業がニコチンパッチやニコチンガムなどの禁煙製品を提供することで、従業員が禁煙に取り組むことが容易になります。特に、長時間労働やストレスが多い職場では、禁煙が難しいという場合があります。しかし、禁煙製品の提供によって、従業員が喫煙を控えることができるようになり、禁煙に成功する可能性が高まります。

禁煙支援の専門家の派遣

禁煙支援の専門家を派遣することで、禁煙をサポートすることができます。専門家は、禁煙のアドバイスや禁煙プログラムの提供、カウンセリングなどを行います。

禁煙対策の成功事例

ガッツポーズしている男性社員

実際に企業ではどのような禁煙の取り組みを行なっているのでしょか。成功事例を紹介します。

食品メーカーの禁煙プログラム

某食品メーカーでは、2005年に全社で禁煙プログラムを導入し、禁煙を希望する従業員に対して、禁煙補助薬の提供や専門医師によるカウンセリングを実施しました。その結果、当初の目標であった50%を大幅に上回る、85%の従業員が禁煙に成功。この禁煙プログラムの成功事例は、多くの企業が模倣するきっかけとなりました。

商社の禁煙支援

某商社では、2008年から禁煙支援制度を導入し、禁煙を希望する従業員に対して、禁煙外来の受診費用や禁煙補助薬の費用を負担するとともに、禁煙カウンセリングを行っています。また、社内に禁煙の啓発ポスターやパンフレットを設置し、従業員の意識改革にも力を入れています。この結果、従業員の禁煙率は、導入前の30%から90%以上に上昇しました。

テレビ局の禁煙推進活動

某テレビ局は、2006年から禁煙推進活動を行っています。具体的には、社内禁煙ルールの設定、禁煙外来の受診費用の補助、禁煙補助薬の提供などを行っています。また、禁煙支援チームを設置し、禁煙に関するカウンセリングや啓発活動を行っています。この結果、従業員の禁煙率は、導入前の20%から90%以上に上昇しました。

IT企業の禁煙キャンペーン

某IT企業は、2009年に禁煙キャンペーンを実施し、禁煙を希望する従業員に対して、禁煙外来の受診費用の補助や禁煙補助薬の提供を行いました。また、社内には禁煙支援チームを設置し、禁煙に関するカウンセリングや啓発活動を行いました。その結果、当初の目標であった40%を大幅に上回る、50%以上の従業員が禁煙に成功しました。

自動車メーカーの禁煙支援

某自動車メーカーは、2003年から禁煙支援制度を導入し、禁煙を希望する従業員に対して、禁煙外来の受診費用の補助や禁煙補助薬の提供を行いました。また、禁煙支援プログラムの一環として、禁煙者に対する支援会や禁煙啓発イベントを実施しています。その結果、従業員の禁煙率は、導入前の26%から70%以上に上昇しました。

このように、企業が禁煙カウンセリングや禁煙製品の提供、禁煙成功報酬など、多様な支援プログラムを導入することで、従業員が禁煙に取り組みやすくなり、禁煙に成功する可能性が高まります。

よくある質問

禁煙対策に強制力はあるの?

企業の禁煙対策には、法的な強制力はありません。また、企業が従業員に対して禁煙を強制することは、一般的には行われません。禁煙を盾にしたパワハラはもってのほかです。従業員に対して禁煙を奨励し、禁煙支援を行うことで、自発的な禁煙が促進されることが望ましいとされています。喫煙者が禁煙に取り組むつらい気持ちを理解することも大切です。

企業が従業員に対して禁煙を強制する場合もありますが、その根拠となる法律や規則が存在する場合に限られます。

企業による禁煙宣言とは?

企業の禁煙宣言とは、企業が従業員に対して禁煙を奨励し、禁煙支援を行うことを公式に表明することです。禁煙宣言には、以下のような内容が含まれることがあります。

■禁煙を推進する理由や目的
企業が禁煙を推進する理由や目的を明確にし、従業員に禁煙の必要性を説明します。例えば、健康促進や生産性向上などの理由が挙げられます。

■禁煙支援制度の導入
企業が禁煙支援制度を導入することを明確にし、具体的な支援内容を説明します。禁煙外来の受診費用の補助や禁煙補助薬の提供などが挙げられます。

■禁煙啓発イベントの実施
企業が禁煙啓発イベントを実施することを明確にし、具体的なイベント内容を説明します。禁煙セミナーや禁煙キャンペーンなどが挙げられます。

■目標とする禁煙率の設定
あらかじめ禁煙率を設定し、目標達成に向けた活動を実施していきます。ゴールを設定することで、より具体的な活動が行なえます。

健康経営優良法人の認定要件にも喫煙対策はある?

健康経営優良法人に認定要件の中にも、喫煙対策は含まれます。

喫煙対策の評価項目には、「喫煙率低下に向けた取り組み」と「受動喫煙対策に関する取り組み」があり、特に後者は必須の認定要件となっています。

企業の禁煙サポートは専門会社へ

健康経営サポートを行なう「オフけん(オフィスに健康を)」では、喫煙に悩む企業様向けに禁煙サポートを提供しています。サービス名は「オフけん卒煙チャレンジ」。

たばこを一時的に吸わない「禁煙」からたばこを完全にやめる「卒煙」へと導くサポートサービスです。現状把握、企業の卒煙風土づくり、アプリを使ったチャレンジ、結果レポートの発行などを通じて、参加者がたばこを吸う習慣や欲求から卒業すなわち「卒煙」することを強力にサポートします。

第三者機関が介入することで、禁煙→卒煙しやすい環境を整え、企業・従業員の皆様の健康をサポートしています。

▶「オフけん卒煙チャレンジ」について詳しい情報はこちら

まとめ

企業の禁煙対策は、従業員の健康促進や生産性向上を目的とした重要な取り組みです。禁煙支援制度の導入や禁煙啓発イベントの実施、禁煙支援チームの設置など、多様なアプローチがあります。

これらの取り組みによって、禁煙率の向上や健康被害の軽減、生産性の向上などの効果が期待できます。また、企業が法令順守などの社会的責任を果たすことにもなります。

企業は従業員の福利厚生として、積極的に禁煙対策を推進していくことが望ましいと言えます。

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